中世キリスト教神学・哲学の諸体系。スコラは「学校」の意で,大学発生前の諸神学校をさす。その発展は4期に分かれ,第1期は新プラトン主義とアウグスティヌス主義の伝統が守られた中世前半にあたる。第2期はカンタベリのアンセルム以後のアリストテレス主義の摂取時代で,普遍論争の時期と一致する。この論争をへてトマス・アクィナスによる第3期,スコラ的世界観の確立期に入る。14世紀以後はこの体系の解体期(第4期)に移り,オッカム主義(ウィリアム〈オッカムの〉)などが出てくるが,近世においてもトマス学派(トミズム)はスコラの正統として今日に及んでいる。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報