デシベル(その他表記)decibel

翻訳|decibel

デジタル大辞泉 「デシベル」の意味・読み・例文・類語

デシベル(decibel)

音の強さ、または音圧ベル単位。音の強さでは毎平方メートル10-12ワット、音圧では毎平方メートル2×10-5ニュートンを零デシベルとし、音圧では10倍、音の強さでは100倍するごとに20デシベルを加える。記号dB
電力比や電気機器利得を表す単位。入力電力と出力電力との比の常用対数の10倍で表す。記号dB

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「デシベル」の意味・読み・例文・類語

デシベル

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] decibel [フランス語] décibel )
  2. 音の強さの単位の一つ。人間の耳に感じる最小値を0デシベルとし、この単位に対する対数比でその音の強さを示す。オーケストラの強奏が一一〇デシベル、近くの雷鳴が一二〇デシベル、人間の耳に耐える最大値は一三〇デシベルとされる。記号 dB
  3. ある装置の入力端と出力端の信号のような二つの信号の比を表わす単位。二信号の電力比の対数を取った値の一〇分の一。増幅器ゲイン信号雑音比などに用いられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デシベル」の意味・わかりやすい解説

デシベル
decibel

波動エネルギー,または振幅の大きさのレベルを表わす単位。ベルの 1/10 。記号は dB 。2つのパワー量 P1P2 に対して 10 log 10(P1/P2) で定義される。場合により以下のように定義されている。 (1) 音の強さのレベルの単位 音の強さの基準値 I0最小可聴音の強さ 10-12W/m2 にとって,音の強さ I のレベルを 10 log 10(I/I0) で表わす。 (2) 音圧レベルの単位 音圧の基準値 P0 を最小可聴音の音圧 20マイクロパスカルPa) にとる。音圧 P パスカルのレベルは 20 log 10(P/P0) 。音の強さは音圧の2乗に比例することからこのように定義される。 (3) 騒音レベルの単位 デシベルA (dBA) が用いられる。人間の聴覚感度周波数によって変るので補正が必要であり,A特性と呼ばれる曲線を利用するのでこのように呼ぶ。かつてはホンが使われたが今はめったに使われない。 (4) 伝送回路での電力または電圧減衰レベルの単位 入力電力 P1 ,出力電力 P2 のとき伝送回路の電力減衰のレベルは 10 log 10(P1/P2) で与えられる。また,入力電圧 V1 ,出力電圧 V2 のとき回路の電圧減衰のレベルは 20 log 10(V1/V2) で与えられる。 (5) 増幅回路,減衰回路における増幅度の単位 デシベル表示したとき利得ともいう。入力電力 P1 ,出力電力 P2 のとき回路の電力増幅のレベルは 10 log 10(P2/P1) で与えられる。また入力電圧 V1 ,出力電圧 V2 のとき回路の電圧増幅のレベルは 20 log 10(V2/V1) で与えられる。電流も同様。伝送回路の場合に対して比 P2/P1 または V2/V1 を逆数にとるのは,回路のデシベル値に増幅のときに正の値,減衰のときに負の値をとらせるためである。なお,入力回路,出力回路の抵抗が R1R2 のとき,R1R2 ならば電力増幅のレベルは電圧増幅のレベルに等しいが,R1R2 ならば異なるので,電力増幅と電圧増幅は区別しなければならない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「デシベル」の意味・わかりやすい解説

デシベル
decibel

比を表す単位。記号はdB。電気,音響,振動などの分野で用いられる。二つの仕事率(電力,音響パワーなど)P1P2の比n(dB)は,n=10log10P1/P2)で定義される。このlog10P1/P2)をベル(B)と呼び,その1/10をデシベルという。ベルは電話の発明者A.G.ベルにちなんで名付けられた。仕事率と2乗の関係をもつ電圧,電流,音圧などでは,その大きさをV1V2とするとき,n=20log10V1/V2)(dB)で表される。例えば電圧比が10倍,100倍となるときそれぞれ20dB,40dBとなる。対数の底をeとし,m=1/2logeP1/P2)と表した場合にはネーパー(Np)を用い,1dB=0.115129Npの関係にある。

 また仕事率の絶対レベルを表す場合,基準値P0に一定値を与え,n=10log10P1/P0)(dB)で表すことも多い。電気通信では1mWを基準とし,絶対電力レベルをdB,またはdBmで表す。1Wは30dBとなる。音響パワーレベルでは10⁻12Wを基準にとるなど分野によって基準値が異なる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「デシベル」の意味・わかりやすい解説

デシベル

仕事率(電力,音響出力等)や音の強さ等を比較するのに用いる無次元の単位decibel。電話の発明者ベルにちなむ単位ベル(B)の1/10(デシ)の意。略号dBまたはdb。(1)二つの仕事率の値をW1,W2とするとき,その減衰はn=10 log1(/0)(W1/W2)デシベルであるという。元来,電気通信で電力の減衰や利得を表すのに用いたが,音の強さやエネルギー密度にも用いる。(2)電圧,電流,音圧などでは,その大きさをV1,V2とするとき,その減衰はn=20 log1(/0)(V1/V2)デシベルであるという。(3)基準値を約束し,それに対するデシベルの値で絶対値をいうこともあり,この場合,量にレベルという語をつける。電気通信では1mW,音の強さのレベルでは10(-/)12W/m2,音圧レベルでは20μPaを基準にとる。→ホン
→関連項目オーディオメーター雑音騒音計

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「デシベル」の意味・わかりやすい解説

デシベル
でしべる
decibel

二つの量を比較するのに用いる無次元量の対数尺度の単位。電気工学や音響学などの分野において用いられる。記号はdBで表す。デシベルのベル(B)はアメリカの電気工学者グラハム・ベルにちなむ。ベルの10分の1がデシベルであるが、ベルは実際にはほとんど用いられない。電力、音響パワーなど同じ種類の電気運動において、二つの工率比の常用対数の10倍につけられる単位であり、d(デシ)が10-1を表す接頭語であるから、二つの工率比の常用対数の単位がB(ベル)とみることもできる。工率比は振幅比の二乗で表される場合が多いので、振幅比に対しても用いられる。この表現形式だと、非常に広い範囲の数値を適当な大きさにして取り扱えるので、工学分野で広く用いられている。音に関しては音圧レベル、床衝撃音レベル、音響パワーレベル、騒音レベルなどを示す単位として使用される。騒音レベルのデシベル単位は計量法でも法定計量単位として定めている。

[小泉袈裟勝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

家庭医学館 「デシベル」の解説

でしべる【デシベル】

 音の強さを音圧(おんあつ)といい、デシベル(dBは、音圧の強さを表わす単位の1つです。人間の聞こえる最小の音圧と最大の音圧の間には、100万倍の差があるといわれていて、実用上、10を底とした対数表示でその音圧を表現したものがデシベルです。
 聴力(ちょうりょく)を表わす場合は、聴力正常な若者が聞くことのできる最小音圧の平均を基準として聴力レベル0(ゼロ)デシベルとしています。この聴力レベルのデシベル数が多いほど、聴力障害が大きいことになります。

出典 小学館家庭医学館について 情報

単位名がわかる辞典 「デシベル」の解説

デシベル【decibel】

音量・電力・エネルギーなどの物理量を、基準値との比の対数によって表す単位。記号は「dB」。音響学や通信工学などの分野で使われる。音圧レベルの場合、人間の耳に感じる最小の1キロヘルツ(kHz)の音の音圧2×10-5パスカルを基準として、それとの対数比を20倍した数値で表す。ホンと同じ値となる。通信などでの電力の増幅・減衰の程度は、その入・出力電力の対数比で表す。◇名称は、アメリカの電気工学者ベルにちなむ。

出典 講談社単位名がわかる辞典について 情報

知恵蔵 「デシベル」の解説

デシベル

一般には、電圧、電力などの減衰や利得を表すのに使う無次元の単位。出力と入力の比の常用対数に10を掛けたもの。音や振動の大きさを表す単位としても使われ、日本では振動レベルの単位として計量法に規定されている。

(今井秀孝 独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「デシベル」の解説

デシベル

音の大きさを表す単位。「dB」と短縮して用いられ、主に騒音の測定単位として使われている。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android