亜鉛めっきを施した鋼板薄板をいう。古くは亜鉛引き鉄板ともいわれたが,現在では亜鉛めっき鋼板が普通の名称である。亜鉛めっきを英語ではガルバナイジングgalvanizingという。鋼板への亜鉛めっきの製造法には溶融亜鉛めっき法,電気亜鉛めっき法の2法がある。鋼板以外の形材などでは,これらのほかに拡散被覆法(亜鉛の場合はシェラダイジングsheradizingという),溶射法なども併用される。複合防食皮膜の一環として薄い亜鉛めっきを施すには連続電気めっき法が用いられる。近年はより薄くて耐食性の優れた亜鉛-ニッケルZn-Ni,亜鉛-鉄Zn-Fe,亜鉛-コバルトZn-Coなどの合金めっきが5μm以下の厚みで施されたものが商品化されている。亜鉛が凝固するときスパングル(華紋)といわれる結晶模様が生成されるが,これを大きくし,また光沢を与えるために,スズあるいはアンチモンを少量亜鉛浴に添加することがある。
〈トタン〉の語源としては,ポルトガル語で亜鉛と銅の合金を意味するtutanaga,あるいは〈白い金属の一種〉を意味するtǒtanに由来するとの説がある。中国でも亜鉛に対して土丹という言葉が使われたことがある。
執筆者:増子 昇
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…【柳田 充弘】
[用途]
上述のように亜鉛はイオン化傾向が大きく,したがって他のイオン化傾向の小さい金属と接触させて水中に置くと,自分が溶け出して,他金属の腐食を防ぐ。このような性質を利用して,どぶ漬亜鉛めっき,トタン,その他防食用に利用される。トタンは,鉄板に薄く亜鉛めっきしたもので,建築用材料その他に広く使用されている。…
※「トタン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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