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(10)Lydiard RB. Panic Disorder: Pharmacologic treatment. Phychiatr Ann. 1988;18:468.
(11)Lydiard RB, Lesser IM, Ballenger JC, et al. A fixed-dose study of alprazolam 2 mg, alprazolam 6 mg, and placebo in panic disorder. J ClinPsychopharmacol. 1992;12:96-103.
出典 法研「EBM 正しい治療がわかる本」EBM 正しい治療がわかる本について 情報
パニック発作といわれる、急性の強い不安の発作を繰り返す症状を特徴とする病気です。
従来は
パニック障害は、のちに述べるように、特別な原因やきっかけなしに急性に発症し、パニック発作を繰り返すことや、不安のため一人で外出したり乗り物に乗ることが困難になること(広場恐怖)、薬がよく効くことなどが特徴です。
原因はまだよくわかっていませんが、心理的原因説は疑問で、脳内ノルアドレナリン系の過敏・過活動、あるいはセロトニン系の機能不全など、脳機能異常説が有力です。これらは薬の有効性の説明にもあてはまります。
また実験的な研究から、パニック障害の患者さんは、乳酸、炭酸ガス、カフェインなどに過敏で、発作が誘発されやすいことがわかっています。過労、睡眠不足、かぜなどの身体的な悪条件や、日常生活上のストレスなど、非特異的な要因も、発症や発作の誘因(引き金、きっかけ)になることが知られています。
パニック障害の特徴を表10にまとめました。表からわかるように、パニック発作では、突然の激しい
しかし数日を置かず、また発作を繰り返し、次第に予期不安(表10の⑥)や広場恐怖(同⑦)が発展してきます。発作を恐れて一人で外出できなくなったり、医師から何ともないといわれていても心臓を心配して運動をひかえたり、病院を転々として検査を繰り返したりするようになります。
症状が軽く、一過性でおさまってしまう場合もありますが、よくなったり悪くなったりしながら慢性に経過する場合が多くみられます。また、半数以上にうつ病を伴ってくることがあるので、注意が必要です。
表10に示した内容と同様の診断基準が定められています。突発性のパニック発作の繰り返しと予期不安があり、原因になるような身体疾患がないのが診断の主な条件です。
この身体疾患を除外するために、内科的なさまざまな検査が行われます。尿、血液、心電図、場合によっては脳波検査などが行われ、心血管系疾患、呼吸器疾患、
治療法には、薬物療法と認知行動療法があります。
通常は、まず抗不安薬(ベンゾジアゼピン誘導体:ソラナックスなど)や抗うつ薬(SSRI〔パキシル、ジェイゾロフト〕など)、その他を使ってパニック発作が起こらないようにする治療を行います。副作用のことも考慮に入れたうえで、発作が起こらなくなるまで十分な量を十分な期間服用し、発作がなくなっても6カ月~1年は薬を続ける必要があります(ただし、ベンゾジアゼピンは抗うつ薬の効果が出てきたら早めにやめる)。
次に、不安が軽くなってきたら、今まで避けていた外出や乗り物に少しずつ挑戦し、慣らしていく訓練(
パニック発作は薬物でほとんど治りますが、予期不安や広場恐怖はその後も長く続くことが多く、これには認知行動療法を併用する必要があります。うつ病が合併した場合は、休養と抗うつ薬療法が必要で、うつ病の治療に準じます。
パニック発作を経験したら、まず内科などで体に異常がないかどうかを検査してもらってください。異常がないのに何度も発作を繰り返すようなら、パニック障害の疑いがあります。
正しい診断がなされず、過換気(かかんき)症候群、
診断が確定したら、指示どおり薬を飲むことがまず大切です。薬が十分効いて不安が軽快してきたら、今まで避けていた状況へ少しずつ入っていく訓練をします。外見ではわかりにくい患者さんのつらさを家族や周囲の方が理解し、外出訓練に同伴するなどの協力も必要です。パニック障害の不安は気の持ちようなどではなく、病気であり治療の対象であることを、本人も家族も知る必要があります。
竹内 龍雄
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
パニック発作を頻繁に引き起こす疾患のこと。恐慌性障害ともいう。アメリカの精神科診断分類(DSM)第4版(1994)では不安障害の一つとしている。従来は不安神経症といわれた。急に強い不安や恐怖にかられ、激しい動悸(どうき)、息切れ、発汗、吐き気やめまい、胸苦しさなどを感じるのがパニックの症状である。逃げられない場所にいるという「広場恐怖」を伴うことが多い。混雑した駅やデパート、電車、バス、エレベーターの中などで突然、極度の不安や恐怖にかられる。頻度は人によりまちまちで、1日に何度も起こることもある。症状から、最初は心臓の病気を疑うが、検査では異常がなく、パニック障害と診断されるケースが多い。まじめできちょうめんな性格の人に多いとされる。心理的、身体的なストレスが引き金となり、交感神経が興奮し、神経伝達物質ノルアドレナリンが過剰に分泌されて起こる、とみられている。人込みにでるのが不安になり、行動や生活が狭められる可能性があり、うつ症状がでたりすることもある。治療は、抗不安薬、抗うつ剤SSRI(セロトニン再取り込み阻害剤)などの薬を用いる一方、呼吸法や精神療法などで心身をリラックスさせる。
[田辺 功]
『貝谷久宣、不安・抑うつ臨床研究会編『パニック障害』(1998・日本評論社)』▽『米国精神医学会著、日本精神神経学会監訳『パニック障害(米国精神医学会治療ガイドライン)』(1999・医学書院)』▽『竹内竜雄著『パニック障害 追補改訂版』(2000・新興医学出版社)』
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(田中信市 東京国際大学教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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