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パレート最適 パレートさいてきPareto Optimum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パレート最適
パレートさいてき
Pareto Optimum

所与の資源,技術,嗜好,所得分配のもとで,何か少なくとも一つの経済主体の経済状態を悪化させることなしには,他の経済主体の経済状態をこれ以上向上させることのできない状態をいう。パレート効率性とも呼ばれる。新厚生経済学において広範に採用されている厚生の判断基準で,名称はこの概念の導入者ウィルフレド・パレートに由来する。パレート最適は所得分配の公平性に関する基準を含まないので,初期の所得分配に対応して無数に存在しうる。この概念が適用される複数の経済状態間の優劣を判断するためには,社会的厚生関数が必要である。

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デジタル大辞泉の解説

パレート‐さいてき【パレート最適】

Paretian optimum厚生経済学における古典的な概念で、いかなる状況が社会の経済的厚生を最大にするものであるかに関するもの。現存の分配状態を与件としたときの最適資源配分の優れた規準といえる。ローザンヌ学派イタリアの経済学者パレートによって説かれたもの。

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百科事典マイペディアの解説

パレート最適【パレートさいてき】

ある状態からだれかの便益を増やそうとすると他のだれかの便益が犠牲になるようなとき(つまり最大限の便益が達成されているとき),この状態をパレート最適という。通常は資源配分の効率性を示し,新古典派経済学の規範的理論の最も重要な概念の一つである。
→関連項目市場の失敗

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人材マネジメント用語集の解説

パレート最適

・パレート最適とは、社会学者ヴィルフレド・パレートが提唱した、資源配分に関する概念である。
・パレート最適とは、資源配分において、いずれの効用も下げずにいずれかの効用を高めることは出来ない状態を意味する。
・つまり効用の最大化が図れている状態である。
・(例)(前提)
ある人が2種類の財(X,Y)を消費する。
○個人の消費するX財、Y財の量はそれぞれx,yとする。
○個人が得る満足(効用)をuとする。
個人が得る満足は個人の選好(prefer)に基づくものとする。
個人の効用を得る組み合わせを効用関数という。

u=U(x,y)

・効用関数をもとにした無差別曲線(indifferent curve)と予算制約線との均衡点をパレート最適という。つまり個人の効用が予算制約内で最大限に満たされる状態(均衡点)である。この均衡点は一点の場合が理想的である。しかし、現実では、個人の選好は様々であり一通りの財の配分以外にも効用を高める財の配分があるため、無差別曲線と予算制約線が一点に交わるパレート最適になる可能性は少ない。
・この場合、パレート最適の状態が複数存在する。

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世界大百科事典 第2版の解説

パレートさいてき【パレート最適 Pareto optimum】

社会の経済活動を,家計が保有する生産要素を生産部門に提供し,生産部門が生産した最終消費財を家計に還元する循環としてとらえるとき,そのあり方の社会的最適性について,イタリアの経済学者・社会学者V.パレートによって20世紀の初頭に考案された概念で,新古典派経済学の規範的理論の中心をなす。経済循環は,だれが何をいかにしてだれのために生産するかを特定化することによって記述され,その一覧表は資源配分の状態と呼ばれる。

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大辞林 第三版の解説

パレートさいてき【パレート最適】

他の経済状態を悪化させることなしには、もはや何人の経済状態も改善できないという状態にあること。資源利用に無駄のない最適な状態をさす。パレートが提示。パレート効率。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パレート最適
ぱれーとさいてき
Pareto optimum

他の個人の満足を減ずることなしには、いかなる人の満足も増すことができない状態をいう。いいかえれば、どのような資源配分の変更を行っても、現状以上に社会的により好ましい状態を達成できないことをいう。個々人の価値判断を社会全体として一つの価値判断に形成するのはきわめて困難であるが、パレート最適は比較的柔軟性のある規準であって、人々の同意を得やすい概念といえよう。これは、V・パレートによって創唱されたものであり、新厚生経済学の発展とともに普及し、パレートの名を冠する名称が定着した。パレート最適は完全競争市場において達成され、そこでは各個人は最大の満足を得、企業は利潤最大化が達成されるなど、重要な法則が成立する。しかし、パレート最適は資源配分のみに関与し、所得分配についてはなんら触れることがない。また、パレート最適の状態は無数に存在し、それらの間の優劣は決定できないなどの限界がある。
 パレート最適が達成されるためには、個人間の限界代替率が等しくならなければならない。両個人の間の限界代替率が等しくなった点を結んだ曲線を「契約曲線」という。契約曲線上のすべての点はパレート最適である。もし初期賦存量がJ点ならば、それに対応するパレート最適点は契約曲線上の任意の点となり、一義的に決定することはできない。
 さらに経済全体でパレート最適が達成されるためには、X財とY財の消費の限界代替率が、X財とY財を生産するための限界変形率(生産可能性曲線の接線の傾きの絶対値)に等しくならなければならない。
 もしもすべての市場が完全競争的ならば、該当する限界代替率が該当する価格比に等しくなるから、パレート最適が達成される。
 なお、一部分においてパレート最適条件が成立していないときに、それを前提として、残りの部分における最適問題を考察するのがセカンド・ベスト理論である。[畑中康一]

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世界大百科事典内のパレート最適の言及

【厚生経済学】より

…どの個人の満足水準も低下させず,少なくとも1人の個人の満足水準を高める変化をパレート改善という。実現可能な資源配分で,もはやパレート改善不可能なものをパレート最適という。これは,資源がむだなく効率的に使われている状態である。…

【新古典派経済学】より

… 今日の新古典派経済学を他の学説から分かつ特徴は,第1に,消費者および企業はきちんと定義された目的関数を最大化するような合理的行動をとると仮定することにあり,第2に,経済財の取引には広範な市場が存在して,しかも価格が伸縮的に動いて需要供給の一致が比較的スムーズに起こると仮定することにある。そのうえですべての財の市場において価格支配力をもつ経済主体が存在しないならば,一般均衡が成立することを立証し,しかもその均衡はパレート最適であるがために規範的にも望ましいことを主張する。1930年代に行われたJ.ロビンソンやE.チェンバレンの独占的競争理論も,独占の弊害を指摘し,市場が資源配分にバイアスをもたらすことを明らかにしたものの,合理的行動と市場均衡という新古典派の基本仮説を否定するものではなかった。…

【パレート】より

…これは,後にアレン,ヒックス,デブルーらへと続く選択理論の先駆的業績として高く評価されている。また,効用の可測性および個人間の比較可能性の仮定を排除しつつ,資源配分の最適性を定義するという,〈オフェリミテophélimité〉の極大,後にパレート最適と名づけられる概念を開発したのもこの著においてである。ローザンヌ大学退職後パレートは社会学的研究に没頭し,社会的存在としての人間の全体像をとらえようとする大著《一般社会学概論Trattato di sociologia general》全2巻(1916)を著した。…

【ミクロ経済学】より

…一般均衡の条件である需要と供給の均等を意味する連立方程式体系を分析することにより,たとえば生産技術の変化が均衡価格体系を,どのように変化させるかを検討することができる。さらに,このような競争的な一般均衡状態は,諸資源のさまざまな用途への配分がパレート最適になっていることを厚生経済学は明らかにしている。 しかし,実際には必ずしも価格が円滑に調整されて需要と供給が均衡するとは限らない。…

※「パレート最適」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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