ファビアン(読み)ふぁびあん(その他表記)Fabian

翻訳|Fabian

デジタル大辞泉 「ファビアン」の意味・読み・例文・類語

ファビアン(〈ドイツ〉Fabian)

ドイツ詩人小説家ケストナー長編小説。1931年刊行。副題「あるモラリスト物語」。ワイマール共和国末期のベルリンの退廃的な社会風俗を描き、のちにナチスにより焚書ふんしょにされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファビアン」の意味・わかりやすい解説

ファビアン
ふぁびあん
Fabian
(1565―1621ころ)

日本人イエズス会修道士。山城(やましろ)国(京都府)に生まれる。一説加賀もしくは越後(えちご)の人ともいう。京都の禅寺に入り、恵俊(えしゅん)(恵春)また雲居(うんきょ)とも称した。1583年(天正11)ごろ19歳でキリシタンとなり、ファビアンの洗礼名を得、不干斎巴鼻庵(ふかんさいはびあん)と名のった。1586年イエズス会へ入り、長崎のコレジオ(大神学校)にて神学を学び、1593年(文禄2)ごろイルマン(修道士)となった。文学に秀で、また宗教に造詣(ぞうけい)が深く、1592年末天草(熊本県)で出版されたローマ字版『平家物語』を編んだ。1605年(慶長10)にはキリシタンの護教的教義書『妙貞問答(みょうていもんどう)』を著したが、翌1606年外人長上者に対する反感から棄教した。1620年(元和6)逆に反キリシタン書『破提宇子(はでいうす)』を著し、キリシタンを批判した。その後の消息は不明である。

[宮崎賢太郎 2018年3月19日]

『海老沢有道校注『破提宇子』(『日本思想大系25 キリシタン書・排耶書』所収・1970・岩波書店)』『海老沢有道訳『妙貞問答』(『南蛮寺興廃記』所収・平凡社・東洋文庫)』『『ころびイルマン不干斎ハビヤンと其著作』(『姉崎正治著作集第4巻 切支丹迫害史中の人物事蹟』所収・1976・国書刊行会)』『山本七平著『受容と排除の軌跡』(1978・主婦の友社)』

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旺文社日本史事典 三訂版 「ファビアン」の解説

ファビアン
Fabian

1565〜1621
安土桃山〜江戸時代初期の日本人のイエズス会イルマン
本名は不明。加賀(石川県出身。もと禅僧。1583年ころキリシタンとなり,'92年キリシタン版『平家物語』を編纂。1605年護教書『妙貞問答』を著し,翌年林羅山と宗論を行った。のち棄教し,'20年『破提宇子 (はでうす) 』を著し,キリスト教を批判した。

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