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プリーストリー Priestley, John Boynton

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

プリーストリー
Priestley, John Boynton

[生]1894.9.13. ヨークシャー,ブラッドフォード
[没]1984.8.14. ストラトフォードオンエーボン
イギリスの劇作家,小説家,批評家。ケンブリッジ大学卒業。評論『イギリスの小説』 The English Novel (1927) で認められ,巡業劇団の生活を描いた小説『友達座』 The Good Companions (29) によって名声を得た。以後,小説『エンジェル小路』 Angel Pavement (30) ,『彼らは町を歩く』 They Walk in the City (36) ,『魔術師たち』 The Magicians (54) ,戯曲『危険な曲り角』 Dangerous Corner (1932) ,『時とコンウェイ家』 Time and the Conways (37) ,『結婚しているとき』 When We are Married (38) ,『ヨルダンを越えるジョンソン』 Johnson over Jordan (39) を発表。第2次世界大戦後の人気作は,社会問題劇『夜の来訪者』 An Inspector Calls (46) 。ほかに『文学と西欧人』 Literature and Western Man (60) などエッセー多数。

プリーストリー
Priestley, Joseph

[生]1733.3.13. ヨークシャー,フィールドヘッド
[没]1804.2.6. ノーサンバーランド
イギリスの化学者。急進的非国教徒の牧師。織物職人の家に生れ,ダベントリ学院卒業 (1755) 後,牧師の道を歩む。ウォリントン学院語学教師 (61) 。 2000名に及ぶ歴史的人物の『伝記図表』完成により,法学博士 (64) 。ロイヤル・ソサエティ会員 (66) 。 1774年ヨーロッパへ旅行し,この間に A.ラボアジエと会見。バーミンガムの「月光協会」会員 (80) 。非国教徒襲撃を意図したバーミンガム暴動事件 (91) を機にロンドン,さらにアメリカに逃れる (94) 。生涯を通じて大小 100以上の著作を出版しているが,大多数の神学に関するもののほかに,すぐれた科学史書『電気学の歴史と現状』 The History and Present State of Electricity (67) をはじめ,光学史 (72) ,また独自の唯物論哲学を述べた『物質と精神に関する論考』 Disquisitions relating to Matter and Spirit (77) などがある。プリーストリーの名を不朽のものとしたのは,主著『種々の空気についての実験と観察』 Experiments and Observations on Different Kind of Air (3巻,74~77) および『自然哲学のさまざまな部門に関連する実験と観察』 Experiments and Observations relating to Various Branches of Natural Philosophy (3巻,79~86) に収められた,化学の実験的業績であった (ロイヤル・ソサエティからコプリー・メダルを贈られている) 。酸素の発見をはじめとして,酸化窒素塩化水素アンモニア亜硫酸ガスなど,種々の重要な気体の単離固定を行い,気体化学の発展に寄与したが,伝統的フロギストン説に最後まで固執していたため,理論的総合の面では同時代のラボアジエにその栄誉を譲った。

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百科事典マイペディアの解説

プリーストリー

英国の小説家劇作家批評家ジャーナリストから小説を書きはじめ,《友だち座》(1929年),《天使通り》(1930年)で人気作家になる。《危険な片隅》(1932年)以後の劇作では実験的なものも多く《回転木馬》《夜の来訪者》など。

プリーストリー

英国の新教牧師,化学者。神学校で学び牧師となったが,次第に化学実験に興味をもつようになった。気体の研究にすぐれ,素(1774年)をはじめ,アンモニア,塩化水素,酸化窒素,亜硫酸ガスなどを発見。
→関連項目シェーレラボアジエ

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世界大百科事典 第2版の解説

プリーストリー【Joseph Priestley】

1733‐1804
イギリスの化学者,神学者,哲学者。本職は牧師であるが酸素の発見で知られる。ヨークシャーのフィールドヘッドに生まれ,非国教会派の牧師を望んだ叔母の手で育てられた。神学校を卒業後,ニーダム・マーケットの長老派教会の牧師補,61年ウォリントン学院の古典語の教師,67年リーズのユニテリアン派の牧師となる。B.フランクリンとの接触が動機となって67年,名著《電気学の歴史と現状》を出版した。そしてこのリーズでの気体の研究がきっかけとなって彼の科学的活動がはじまり,醸造槽に発生する二酸化炭素についての実験を行い,〈ソーダ水〉を発明したことで有名になった。

プリーストリー【John Boynton Priestley】

1894‐1984
イギリスの小説家,劇作家。会社勤めをし,第1次大戦に従軍したのち,遅くなってケンブリッジ大学を卒業。それ以前からエッセイストとして活躍していたが,偶然落ち合った役者たちが一座をつくって巡業して歩く愉快な道中物《友だち座》(1929)で一躍有名になり,次の第1次大戦後の不況下の小市民の生活を描いた《天使通り》(1930)も大成功を収め,ディケンズ的な悲喜劇を描くイギリス小説の伝統の代表者となった。このほかに数多くの小説があるが,劇作でも非常な名声を博し,自殺を装った殺人事件の解明から社会悪を暴いた《危険な片隅》(1932),一少女の死を取り上げて社会的責任を訴えた《夜の来訪者》(1945)など30編近い作品がある。

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大辞林 第三版の解説

プリーストリー【Priestley】

〔John Boynton P.〕 (1894~1984) イギリスの小説家・劇作家。伝統的な手法で広く大衆に親しまれる作品を書いた。小説「友だち座」、戯曲「危険な曲り角」
〔Joseph P.〕 (1733~1804) イギリスの化学者・牧師。気体化学の父といわれ、酸素の発見で知られる。ほかにアンモニア・塩化水素・亜硫酸ガスなど多くの気体を遊離、確認したが、終始フロギストン説に立ち、ラボアジエの新しい化学体系を認めなかった。また、光合成や呼吸と血液の関係など重要な研究がある。

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世界大百科事典内のプリーストリーの言及

【科学史】より

…それゆえ,〈科学の歴史〉をたどろうとする試みも,19世紀西欧に始まったといってよい。たとえば,イギリスのJ.プリーストリーの一連の先駆的な仕事,そしてフランスのA.コントが提案した〈科学の歴史histoire de la science〉や,イギリスのW.ヒューエルの著した《帰納科学の歴史》(1837)などが,そうした試みを代表する。もとよりそれ以前にも,すでに個別の学問として成立していた数学や,天文学,医学などに関しては,それぞれに,個別的な学問史が書かれたことがあった(たとえばルクレールD.Leclerc(1652‐1728)の《医学史》(1696,1723)やドランブルJ.Delambre(1749‐1822)の《古代天文学史》(1817)など)が,科学が一つの理念として成立しはじめる19世紀半ば近くになって,ようやく科学史という学問もその理念を体して誕生したといえよう。…

【酸素】より

…空気中の酸素は燃焼や動物の呼吸作用によって消費されるが,一方,植物の同化作用によって二酸化炭素が分解されて酸素が供給され,バランスが保たれている。 イギリスのJ.プリーストリーは1774年,赤降汞(せきごうこう)(酸化水銀(II)HgO)を大きなレンズ(日取りレンズ)を用いて太陽光によって加熱し新しい気体を得た。 HgO―→Hg+1/2O2この気体は燃焼を支える力が強く,動物は普通の空気の中よりもこの気体の中のほうがずっと長く生きることがわかった。…

【清涼飲料】より

…清涼爽快な香味をもつ無酒精飲料(アルコール分が全容量の1/100以下)の総称。1900年の内務省令による〈清涼飲料水営業規則〉で,〈販売の用に供するラムネ,リモナーデ(果実水,ハッカ水,および桂皮水の類を含む),ソーダ水,およびその他の炭酸含有飲料水並びに果実汁……を言う〉と規定され,以後この語が普及するようになった。ほぼ同義の語にソフトドリンクがあり,国際的にはこの語が用いられている。現在の日本での市販品を大別すると,炭酸飲料,果実飲料,乳性飲料になる。…

【農学】より

…植物の光合成に関する研究である。イギリス人牧師J.プリーストリー(1733‐1804)は,1770年代に植物は〈空気を純化する〉(O2発生)とし,オランダ人でオーストリア宮廷医師J.インゲンホウス(1730‐99)は植物のO2発生は緑色の葉,茎だけが行うことを明らかにした。スイス人牧師スヌビエJ.Senebier(1724‐1809)はO2が発生するにはCO2の存在が必要であるとし,スイス人ソシュールN.T.de Saussure(1767‐1845)は植物の緑色部分に光を照射すると,CO2とH2Oから有機物が合成されることを証明した。…

【ルナ・ソサエティ】より

…その発端は1765年に締め金具の製造者ボールトンMatthew Boultonと医師E.ダーウィン(C.ダーウィンの祖父),教育者スモールWilliam Smallがアメリカ人フランクリンとともに催した月例談話会にある。これに陶器業者ウェッジウッド,蒸気機関の開発者ワット,化学工業の開拓者キアJames Keir,馬車の緩衝装置を発明したエッジワースRichard Edgeworth,それに気体化学の先駆者J.プリーストリーが加わり,相互啓発によって多数の新くふうや理論を生みだした。しかし彼らはフランス革命とアメリカ独立を支持し,奴隷解放を力説するなど,革新的政治姿勢を示したため,地元民の反発を買い,プリーストリー邸焼打ちなどの妨害を加えられ,19世紀初頭には自然消滅した。…

※「プリーストリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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