ボイルの法則とシャルルの法則(ゲイ・リュサックの法則ともいう)を組み合わせたもの。ボイル‐ゲイ・リュサックの法則ともいう。
気体の体積・圧力・絶対温度をそれぞれV、P、Tで表すと、nモルの気体についてはPV=nRTなる関係式が成立する。Rは気体定数で、SI単位系ならば、8.314ジュール/Kである。ボイルの法則(PV=一定)と、シャルルの法則(定圧下の体積膨張の割合は、零0℃の体積の273分の1である)を組み合わせ、モルの概念を導入すると得られる。この法則に厳密に従う気体を理想気体という。
[山崎 昶]
一定量の気体の体積Vは圧力pに反比例し,絶対温度Tに比例するという法則。一定温度では気体の体積と圧力は反比例するというボイルの法則(ボイル=マリオットの法則ともいう)と,圧力一定のもとでは気体の体積は絶対温度に比例するというシャルルの法則(ゲイ・リュサックの法則ともいう)とを統合したもので,この法則によると,n(mol)の気体に対して,pV=nRTの関係が成り立つ(Rは気体定数)。この法則は,常温,常圧の気体に対してはよく成立するが,低温,高圧の場合にはこの法則からのずれが大きくなる。このずれは気体分子間に働く相互作用のためである。気体分子間に相互作用の働かない理想気体では,ボイル=シャルルの法則が厳密に成り立つことが知られている。
→状態方程式
執筆者:阿部 龍蔵
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ボイルの法則とシャルルの法則を結びつけたもので,一定量(n mol とする)の気体の体積Vは,その圧力Pに反比例し,絶対温度Tに比例するという法則.
PV = nRT
と書くことができる.ここで,Rは気体定数である.この法則は最初,永久気体についての実験から得られた大ざっぱな法則であって,厳密にいえば,この法則にあう気体,すなわち理想気体あるいはこれに近いものは非常に少なく,一般には,実在する気体については近似的にあてはまるのみである.液化しにくい気体で,しかも比較的高温,低圧の場合は理想気体に近い.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ダイビング情報ポータルサイト『ダイブネット』ダイビング用語集について 情報
…それから1世紀ほどたって,フランスの物理学者J.シャルルは,1787年,一定圧力の場合,気体の体積は絶対温度に比例すること(シャルルの法則,またはゲイ・リュサックの法則という)を見いだした。現在では,この両者の法則を合わせて,ボイル=シャルルの法則という。この法則によると,一定量の気体に対し,pV∝Tの関係が成立する。…
※「ボイルシャルルの法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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