ミケーネ文明(読み)ミケーネブンメイ(英語表記)Mycenaean civilization

デジタル大辞泉 「ミケーネ文明」の意味・読み・例文・類語

ミケーネ‐ぶんめい【ミケーネ文明】

前16世紀から前12世紀にかけて、ミケーネ中心に栄えた、エーゲ文明後期の青銅器文明北方からのアカイア人クレタ文明の影響を受けて形成、ギリシャ文明先駆をなしたが、ドリス人侵入によって滅亡シュリーマンによって再発見された。ミュケナイ文明

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精選版 日本国語大辞典 「ミケーネ文明」の意味・読み・例文・類語

ミケーネ‐ぶんめい【ミケーネ文明】

〘名〙 エーゲ文明の後期に当たる青銅器文明。ギリシア本土のミケーネを中心とし、紀元前一六〇〇年から、ドリス人の侵入によって滅亡する前一二〇〇~前一一〇〇年まで続いたギリシア人による文明。クレタ文明と関係が深く、海上交易権を得て黄金時代を築き、キプロス島テッサリアトロイなど周辺に広く波及した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ミケーネ文明」の解説

ミケーネ文明(ミケーネぶんめい)

前2千年紀にミケーネを中心にギリシア本土各地で栄えた青銅器文明で,シュリーマンの発掘以後,ピュロススパルタアテネテーベオルコメノスイオルコスなどに広がっていたことが明らかになった。前2100~前1600年頃の中期青銅器時代,これらの地では侵入した第1の波のギリシア人が文化の担い手となり,王宮円墳が営まれた。後期青銅器時代の第3期(前1400~前1150年)はなかでもミケーネの黄金時代であったが,その末期におそらく外敵襲撃による火災で各地の王城が焼け落ちた。この文明はクレタ文明との関係が深く,文字もクレタ文字の一体系と共通している。前1200年頃に南下を開始したドーリア人によって破壊されたと解されてきた,この文明の諸王国は,小規模ながら専制王国へと進む可能性を秘めていたらしい。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミケーネ文明」の意味・わかりやすい解説

ミケーネ文明
ミケーネぶんめい
Mycenaean civilization

ギリシア本土で発展した青銅器時代後期の文明。中期ヘラディック文明にミノア文明 (→クレタ文明 ) の影響を強く受けて成立したと考えられ,特に前 14~12世紀にかけて個性的な展開をみせた。遺跡としては,ミケーネのアトレウス宝庫 (アトレウスの墓) ,獅子門を含む城塞跡などが有名。ミケーネ,チリンス,ピュロスに王宮跡があり,ピュロスおよびクノッソスから多数出土した線状B文字記載の粘土板文書は,経済や制度を知る貴重な史料である。 M.ベントリス解読によれば,ミケーネ文明はギリシア人をにない手とし,小規模ながらもアジア的専制君主国家に近い形態に達していた。前 12世紀に小王国相互の内戦によって衰退した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ミケーネ文明」の解説

ミケーネ文明
ミケーネぶんめい
Mykenai

エーゲ文明の後期(前1500 (ごろ) 〜前1200 (ごろ) )にミケーネ(ミュケナイ)・ティリンスなどを中心に栄えたアカイア人の文明
ギリシア本土のミケーネ・ティリンス・ピュロス・オルコメノスなどが中心で,エーゲ文明前期のクレタ文明を滅ぼしながらも,その影響を強く受けた青銅器文明が発展した。壁画などはクレタ風であるが,巨石による堅固な城壁や円形墳墓などには北方的・戦闘的特色を残しており,この文明で使用された文字は線文字Bと呼ばれる。ドーリア人の侵入によって滅亡し,長く忘れられていたが,19世紀にドイツ人考古学者シュリーマンのトロヤ発掘によって明らかにされた。

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百科事典マイペディア 「ミケーネ文明」の意味・わかりやすい解説

ミケーネ文明【ミケーネぶんめい】

ミュケナイ文明

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミケーネ文明」の意味・わかりやすい解説

ミケーネ文明
みけーねぶんめい

エーゲ文明

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