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モナズ石【モナズいし】
モナザイトとも。酸化トリウムおよび希土類元素の主要原料鉱物。組成は(Ce,La,Nd)PO4で,わずかにThO2を含む。ふつう分析値Ce2O339〜74%,ThO20〜18%。単斜晶系。結晶は粒状,短柱状,卓状。硬度5〜5.5,比重4.6〜5.4。樹脂状・蝋状光沢があり,透明〜半透明。色は黄・赤褐・褐色など。複屈折大で,放射能がある。ペグマタイト中またはその分解で生じた砂鉱中から産出する。
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モナズいし【モナズ石】
セリウムなど希土類元素のリン酸塩鉱物。単斜晶系。粒状・短柱状結晶。半透明、樹脂状光沢、黄褐色ないし赤褐色を呈す。ペグマタイトや、その風化漂砂中に産する。原子炉用燃料トリウムの重要な鉱石。日本は輸入に依存。モナザイト。
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モナズ石
もなずせき
monazite-(Ce)
セリウムおよびトリウムの鉱石鉱物としてもっとも重要なものの一つ。花崗(かこう)岩質ペグマタイト、ある種の変成岩(チャルノック岩charnockite)、カーボナタイトcarbonatite(火成起源の炭酸塩岩)、高温熱水鉱床中、気成鉱床中、あるいはこれらから導かれた砂鉱(さこう)(漂砂鉱床)中に産する。またある種の堆積(たいせき)岩中にも自成鉱物として生成される。この種のものは、最初比較的低温条件で含水相ラブドフェンrhabdophane-(Ce)(Ce[PO4]
1~2H2O)として生成され、のち脱水されてモナズ石となったものである。自形は短柱状ないし粒状。ラブドフェンからの脱水産物は、きわめて微細な多孔質の六角柱状の仮晶をなすため、大気汚染物質の濾過(ろか)用フィルターとして用いられる。日本では福島県石川地方をはじめ各地の花崗岩質ペグマタイト中に少量産する。英名はギリシア語の「孤独」を意味するモナゼインに由来し、初期に発見されたいくつかの産地で産出がまれであったことによる。
希土類元素を主成分とする種については、もっとも多量に含まれる元素の元素記号を、括弧(かっこ)でくくった接尾語を使って区別する規定がある。モナズ石はmonazite-(Ce)のほか、monazite-(La)やmonazite-(Nd)が知られている。日本では本来のものをモナズ石、後者をそれぞれランタンモナズ石、ネオジムモナズ石という習慣が固定しつつある。日本では岐阜県中津川市恵比寿(えびす)鉱山のものがランタンモナズ石に属する。また、香川県高松市金山のペグマタイト中のものがネオジムモナズ石に属する。[加藤 昭]
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世界大百科事典内のモナズ石の言及
【モナザイト】より
…化学組成(Ce,La,Nd,Th)PO4の鉱物。モナズ石ともいう。Ce,La,Nd,Thのうちいちばん多いのはセリウムCeで分析値はCe2O3として40~70%含まれる。…
※「モナズ石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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