モンモリロン石とも呼ぶ粘土鉱物の一種で水により膨潤する性質(原体積の7~10倍)が特徴。ベントナイトの主要構成鉱物である。スメクタイトsmectiteとも呼ばれる。化学成分X066Y6Z8O20(OH)4・2H2O,X:1/2Ca,Na,Y:Al,Mg,Fe3⁺,Z:Si,Alで示され多種類の種がこれに属する。単斜晶系に属する層状構造の微細葉片状結晶。電子顕微鏡下に薄板状の形態が明らかにされるが,通常は粘土状または塊状集合体をなす。比重2~3,モース硬度1~2。白,淡灰,淡黄,淡紅,淡緑などの色を示し,新鮮なものではセッケン状の感触を示す。層状構造を示す層間に多量の水を吸収し著しく膨潤し,また層間のアルカリ,アルカリ土類イオンについては高いイオン交換性を示す。各種の岩石,とくに火山ガラスなどの風化作用,堆積後の続成作用,熱水作用などにより生成する。フランス中央部の町モンモリヨン近郊のマンガン鉱山より発見されたことにより命名された。
執筆者:湊 秀雄
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Al2O3・4SiO2・nH2Oで示される含水アルミニウムケイ酸塩(粘土鉱物)の一種で,層状構造をもつ.塩基置換量がきわめて大きく,吸着イオンによって水中における膨潤度は異なるが,一価イオンを吸着している場合は十数倍に膨潤する.フランスのモンモリヨンで産出して研究されたので,この名称が用いられる.アメリカのベントンに産出するベントナイトも同じものである.吸着性,膨潤性,塩基交換性,粘着性を利用した多くの用途がある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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