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レンカク Hydrophasianus chirurgus; pheasant-tailed jacana

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

レンカク
Hydrophasianus chirurgus; pheasant-tailed jacana

チドリ目レンカク科。全長 38~58cm。長い趾(あしゆび)をもち,水面上の水草の上を歩き回る。生殖羽(→羽衣)では黒い尾羽が 19~38cmと長い。羽色は頭部と前頸部が白,後頭から後頸は黒く縁どりのある黄金色で,羽毛がやや長く,たてがみのように見える。背,肩,雨覆羽は黒褐色から赤褐色まで変異がある。は大部分が白く,先端が黒い。下胸,腹は黒褐色。非生殖羽では尾羽が 11~12cmと短い。頭側から頸側には黒で縁どられたくすんだ黄色の帯がある。背面は頭央から後頸が黒い。喉から胸は白く,そこを過眼線から頸側を通り胸帯に連なる帯が囲む。頭上は栗色で,後頸はくすんだ黄色。背,肩,雨覆羽は褐色で,腹は白い。一妻多夫で,アフガニスタン,南アジアからヒマラヤ南部を経て中国東部,タイワン(台湾)インドシナ半島フィリピンボルネオ島南部で繁殖する。レンカク科 Jacanidaeでは唯一渡りをし,北部にすむものは繁殖地の南部やインド南部からバングラデシュマレー半島スマトラ島ジャワ島などに渡る。日本にはごくまれに少数が渡来する。レンカク科は 8種からなり,全長 17~58cm。羽色は黄,白,黒,褐色などが多い。体形はクイナに似るが,さらに脚が長く,特に趾が非常に長い。この趾を広げて,水面の水草の上を軽々と歩き回り,水面付近の昆虫などをとる。飛翔力も強い。すべて温帯から熱帯の湖沼や河川に生息し,アフリカに 3種,インドから東南アジアに 2種,フィリピンからオーストラリアに 1種,中央アメリカとカリブ海諸島に 1種,南アメリカに 1種が繁殖している。ほとんどの種は雌のほうが雄よりやや大きく,一妻多夫で繁殖し,雄が巣づくりから抱卵,育雛を行なう。ただし,中央アメリカにすむアメリカレンカク Jacana spinosa は雌も抱卵することがある。

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百科事典マイペディアの解説

レンカク

レンカク科の鳥。翼長21cm。レンカク類は8種おり,世界の熱帯から亜熱帯に分布し,湖沼地帯にすむ。いずれも足指と爪がきわめて長く,ハスなどの浮葉植物の上を歩くのに適している。生態はクイナ類に似る。日本で迷鳥として見られるレンカクはインドから東南アジアに分布する。一妻多夫で雄が抱卵・育雛を行う。水生昆虫や貝などを食べる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

レンカク
れんかく / 蓮角
jacana

広義には鳥綱チドリ目レンカク科に属する鳥の総称で、狭義にはそのうちの一種をさす。この科Jacanidaeの仲間は、アジア南部からオーストラリア、アフリカ、マダガスカル島、中央・南アメリカ、西インド諸島などに分布し、7種が知られている。全長16~55センチメートル。バンやクイナに似た体形で、足の指がとくに長い。沼沢地にすみ、水草の茂った水面を歩き回って生活する。巣も水草の上につくり、抱卵と育雛(いくすう)はおもに雄の仕事である。
 種のレンカクHydrophasianus chirurgusはインド、東南アジア、中国東部など熱帯地域に分布しており、日本ではおもに南日本にまれに渡来するのみである。全長55センチメートル。体の背面、胸は黒褐色、顔からのど、腹は白色、後頸(こうけい)は黄橙(こうとう)色。尾は黒褐色で長い。水生昆虫や、植物の種子などを食べる。[柳澤紀夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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