一党(読み)イットウ

デジタル大辞泉 「一党」の意味・読み・例文・類語

いっ‐とう〔‐タウ〕【一党】

同じ利益思想などによって結ばれている仲間。「同志一党を率いる」
一つ政党。一つの党派。「一党独裁」
特に、血縁地縁で結ばれた中世武士集団
[類語]仲間同類一類徒輩とはいともがらやからたぐい集団一群一団チームパーティー

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精選版 日本国語大辞典 「一党」の意味・読み・例文・類語

いっ‐とう‥タウ【一党】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 共通の利益、思想などによって結ばれた仲間。一味。一類。
    1. [初出の実例]「彼の国には夜叉の一党有て」(出典:今昔物語集(1120頃か)五)
  3. 中世における武士の集団。血縁的、地域的に結合していたもの。「党」を強調していったり、党全体、また、党を構成する者をさすのにいうことが多い。
    1. [初出の実例]「伊東、松田、頓宮、富田の判官が一党(タウ)、并びに真木葛葉の溢(あふ)れ者共を加へて」(出典:太平記(14C後)八)
  4. 一つの政党、党派。「一党独裁
    1. [初出の実例]「其一党は政府党となりて、他の一党を抗政党とするなり」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二)
  5. ( ━する ) 仲間が集まって徒党を組み、目的によって一致すること。
    1. [初出の実例]「天下一党して太平なるぞ」(出典:四河入海(17C前)二三)
  6. ( 多く「に」を伴って副詞的に用いる ) 複数の人が同様の行為をするさま。いっしょ。一同。
    1. [初出の実例]「皆一党(イットウ)覚悟をきはめ、討死と心ざす忠義の程こそけなげなれ」(出典:浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)一)

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