一戸町(読み)いちのへまち

日本歴史地名大系 「一戸町」の解説

一戸町
いちのへまち

面積:二九八・五八平方キロ

二戸郡東部にあり、北は二戸市、東は九戸郡九戸村、南は岩手郡葛巻くずまき町・岩手町、西は浄法寺じようぼうじ町に接する。馬淵まべち川が北西流し、姉帯あねたい平糠ひらぬか川を合せ北流する。国道四号・JR東北本線がほぼ並行して南北に縦貫している。これらの川の本支流沿いに集落・田地が開ける。南東高森たかもり山、南西に西にし(一〇一八・一メートル)がそびえる。西岳へは高森高原から南西にイチイナナカマドブナの原生林を通る遊歩道が続く。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一戸町」の意味・わかりやすい解説

一戸〔町〕
いちのへ

岩手県北部,馬淵川上流域にある町。1889年一戸村と高禅寺村が合体し町制。1957年鳥海村,浪打村,小鳥谷(こずや)村,姉帯(あねたい)村の 4村と合体,現町域となる。一戸の地名の由来は平安末期以降,名馬を産出する牧場の区画の一つとして呼称されていたとする説など,諸説ある。奥州街道宿駅として発展。野菜やタバコの栽培や酪農が行なわれ,特に南西部の西岳山麓の奥中山峠(十三本木峠)付近では高冷地野菜の栽培や酪農が盛ん。JR東北本線一戸駅付近にはリンゴの選果場や食肉加工センターなどがある。鳥越では古くから竹細工が行なわれ,かごや花器などが出荷される。町域北部は折爪馬仙峡県立自然公園に属し,浪打峠付近を歌枕の「末の松山」とする説もある。根反(ねそり)の大珪化木(→ケイ化木)は国の特別天然記念物,実相寺のイチョウ藤島のフジ,浪打峠の交叉層,姉帯・小鳥谷・根反の珪化木地帯は国の天然記念物に指定。1989年の発掘調査により検出され,1993年に国史跡の指定を受けた御所野遺跡は,2021年「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産として世界遺産の文化遺産に登録された。東北自動車道八戸線(八戸自動車道)が通る。面積 300.03km2人口 1万1494(2020)。

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