一騎当千(読み)イッキトウセン

デジタル大辞泉 「一騎当千」の意味・読み・例文・類語

いっき‐とうせん〔‐タウセン〕【一騎当千】

《古くは「いっきとうぜん」》一人多勢の敵に対抗できるほど強いこと。勇士形容一人いちにん当千。「一騎当千つわもの
[補説]室町時代には、「一人当千とうぜん」と並べ用いられたが、後世には「一騎当千」が残った。
[類語]強い強力強大無敵最強力強い・勝負強い・屈強強豪強剛剛強手ごわい精強多力強烈強勢パワフル強靭精鋭破竹の勢い

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精選版 日本国語大辞典 「一騎当千」の意味・読み・例文・類語

いっき‐とうせん‥タウセン【一騎当千】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「一人当千」から出た語。古くは「いっきとうぜん」 ) 一人で千人の敵に対抗できるほど強いこと。一人当千。転じて、人並み以上の技術や経験のあること。
    1. [初出の実例]「其の勢僅か三十二人、是皆一騎(キ)(タウ)千の兵とはいへ共」(出典太平記(14C後)五)
    2. 「Icqitǒjenno(イッキタウゼンノ) ツワモノ」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    3. 「いっきたうせん」(出典:語彙(1871‐84))

一騎当千の語誌

中世では「イッキタウゼン」であったが、明治になって「語彙」「改正増補和英語林集成」「言海」などに「イッキト(タ)ウセン」の例がみえる。

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四字熟語を知る辞典 「一騎当千」の解説

一騎当千

一人で千人の敵に対抗できるほど強いこと。転じて、人並み以上の技術や経験のあること。

[使用例] 先生は無論の事迷亭、寒月ないし東風などという広い東京にさえあまり例のない一騎当千の豪傑連の挙止動作を寝ながら拝見するのは吾輩にとって千載一遇の光栄である[夏目漱石*吾輩は猫である|1905~06]

[解説] 「一人当千」から出た語。「当千」は古くは「とうぜん」ともいいました。もともとは、一人で千人の力や価値があること。「騎」は騎馬武者のこと。

[類語] いちにんとうせん

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