三昧堂(読み)サンマイドウ

デジタル大辞泉 「三昧堂」の意味・読み・例文・類語

さんまい‐どう〔‐ダウ〕【三昧堂】

僧が中にこもって、法華三昧念仏三昧を修する堂。特に、法華経についての長講を行う堂。

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精選版 日本国語大辞典 「三昧堂」の意味・読み・例文・類語

さんまい‐どう‥ダウ【三昧堂】

  1. 〘 名詞 〙 仏語
  2. 僧が籠って法華三昧または念仏三昧を修する堂。多く法華三昧堂をいう。
    1. [初出の実例]「三昧だうちかくて、鐘の声、松風にひびきあひて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
  3. 墓所にある葬式用の堂。
    1. [初出の実例]「家と見しはもとありし荒野の三昧堂(さんマイだう)にて、黒き仏のみぞ立せまします」(出典:読本・雨月物語(1776)吉備津の釜)

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日本歴史地名大系 「三昧堂」の解説

三昧堂
さんまいどう

[現在地名]高野町高野山

大会だいえ堂の東隣にあり、三間四面の檜皮葺で金剛界の五仏ならびに四天王像を安置する。延長六年(九二八)金剛峯こんごうぶ寺座主に補任された済高の創建と伝える。創建時について「高野春秋」は「長者記云」として延長七年と承平六年(九三六)の二説をあげるが、いずれも確証は得られない。最初の堂は本中院ほんちゆういん谷の親王しんのう院の地にあって、東南とうなん院とよばれた。東南院の名は、済高が勧修かじゆう(現京都市山科区)の東南院に住したことによるともいう(続風土記)

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百科事典マイペディア 「三昧堂」の意味・わかりやすい解説

三昧堂【さんまいどう】

三昧を修する堂舎。天台系統の大伽藍(がらん)に置かれる。法華経を講じるものを法華三昧堂,念仏を修するものを常行三昧堂という。最澄比叡山上に四種三昧堂を建立せんと発願したのに由来し,円仁によって,法華・常行の両堂が建てられた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三昧堂」の意味・わかりやすい解説

三昧堂
さんまいどう

寺院において三昧(精神集中の修行)を修する堂舎。常住の僧が、法華(ほっけ)三昧、念仏三昧などの法事を行う。古く最澄(さいちょう)が四種三昧院の建立を発願したことに起因し、ついで円仁(えんにん)が比叡山(ひえいざん)に法華三昧堂、常行(じょうぎょう)三昧堂を建立した。その後、天台宗の寺院だけでなく、高野山(こうやさん)や東大寺などにも三昧堂が建てられた。1021年(治安1)に創建された東大寺の三昧堂は、四月堂ともよばれて現存し、国宝に指定される。

[永井政之]

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