朝日日本歴史人物事典 「三遊亭円遊(3代)」の解説
三遊亭円遊(3代)
生年:嘉永3.5.28(1850.7.7)
明治期の落語家。本名竹内金太郎。江戸小石川の紺屋・藤屋の息子。慶応4(1868)年19歳のとき2代目五明楼玉輔に入門,しう雀の名で噺家となる。師の一時廃業に伴い,明治5(1872)年ごろ初代三遊亭円朝に再入門して円遊。「ステテコ踊り」の高座で評判をとり,13年真打。以後文明開化の時流に乗ってナンセンスなギャグ沢山の新作落語を多く演じ,大きな鼻を売り物にしたため「鼻の円遊」と呼ばれて圧倒的な人気を博した。「野ざらし」「船徳」など従来の陰気な噺を滑稽に改作したことでも知られる。本来は3代目だが,俗に「初代」といわれて現在に至っている。<参考文献>「三遊亭円遊代々」(『落語』29号)
(山本進)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報