(読み)ヨ

デジタル大辞泉 「与」の意味・読み・例文・類語

よ【与〔與〕】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉)(漢) [訓]あたえる くみする あずかる と より か
仲間になる。くみする。「与国与党
かかわりができる。あずかる。「関与参与
あたえる。「与奪寄与給与供与恵与授与所与賞与譲与贈与貸与天与投与付与賦与
[名のり]あたえ・あと・あとう・くみ・すえ・ため・とも・のぶ・ひとし・もと・もろ・よし

むた【与/共】

名詞または代名詞格助詞「の」「が」が付いた形に接続して、…とともに、…のままに、の意の副詞句をつくる。
「波の―か寄りかく寄る」〈・一三一〉

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精選版 日本国語大辞典 「与」の意味・読み・例文・類語

あたえあたへ【与】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「あたえる(与)」の連用形名詞化 ) 与えられること。また、そのもの。さずかりもの。めぐみ。たまもの。
    1. [初出の実例]「天のあたへを取らざるは、反(かへ)って其咎(とが)を得ると見えたり」(出典曾我物語(南北朝頃)五)

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普及版 字通 「与」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 3画

(旧字)與
人名用漢字 14画

[字音]
[字訓] ともにする・あずかる・あたえる

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
旧字は與に作り、与を四手をもって捧げている形。更に下に手を加えると、挙(擧)げる意となり、挙げ運ぶことをいう。〔説文〕三上に「黨與なり」とし、古文一字を録する。与は象二本を組み合わせた形とみられ、そのように貴重なものを、共同して奉じて運ぶ意であろう。共同の作業であるから、ともにする意となり、運んで他に移すので、賜与の意となる。象は殷代には江北の地にも多く棲息しており、その蹤迹は六朝のころまで認められる。象は、殷墟の侯家荘遺址や婦好墓からは、それに雕飾(ちようしよく)を施した精巧な遺品が出土している。与はの形に近く、その一双を組み合わせた形であろう。〔説文〕十四上に「賜予なり。一を与と爲す。此れ予と同じ」(義証)とするのは、与の字形を一(勺)の二字に分解して説き、一勺を以て人に与える意とするものであろうが、根拠のない説である。

[訓義]
1. ともにする、くみ、なかま。
2. あずかる、したがう、したしむ。
3. 予と通じ、あたえる、ほどこす。
4. 虚詞として、以などと通じ、と、もって、ために。
5. 終助詞、か、かな。

[古辞書の訓]
名義抄〕與 アタフ・クミス・トモニ・カネタリ・ト・トモナフ・アツマル・ユルス・コレト・アツカル・マヌガル・カナ 〔字鏡集〕與 アヅカル・トモニ・マヌガル・モチヰル・アツマル・トモガラ・カネタリ・クミス・カナ・トモナフ・アタフ・ユルス・タメ・ト

[声系]
〔説文〕に與声として譽(誉)・・歟・擧(挙)など十二字を収める。擧十二上に「對擧するなり」とあり、與もその意。称挙によって名声を得ることを譽という。

[語系]
與・輿・jiaは同声。(よ)はかつぐ意。四手をあげて支える意である。予jiaも同声。仮借して与える意に用いる。豫(予)・預jiaも同声。同じく参与の意に用いる。みな與がその本義を存する字で、その声義を承けるものである。

[熟語]
与期・与議与告・与国・与手・与取・与奪・与知与陳・与展与徒・与同・与聞与謀与游・与与与慮
[下接語]
猗与・嘉与・干与・関与・寄与・給与・参与・施与・賜与・借与・取与・授与・賞与・譲与・贈与・貸与・奪与・儔与・天与・投与・党与・付与・賦与・分与・猶与・容与

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