(読み)クシ

デジタル大辞泉の解説

くし【串】

《「櫛(くし)」と同語源》
魚貝・獣肉・野菜などを刺し通して焼いたり干したりするのに用いる、先のとがった竹や鉄などの細長い棒。「を打つ」「を刺す」
細長くて、物を貫き通すのに用いるもの。
「その御幣の―に書き付けて奉りたりける」〈今昔・二四・五一〉
ろうそくの芯。
「ちゃくちゃくと取れ蝋燭の―/貞徳」〈犬子集・一四〉

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世界大百科事典 第2版の解説

くし【串】

物を貫き通すのに用いる細長いものの称,とくに食物の加工,調理に用いるものをいう。串の字は誤用で,正しくは丳と書き,《和名抄》は丳を〈夜以久之(やいくし)〉,つまり,焼きぐしとしている。現在では洋風のブロシェットをも含めて金属製のものも多用されるが,古くは製がほとんどであった。日本料理の流派が成立した室町時代には,たとえば《四条流庖丁書》が〈大ヤキグシト云時ハ長一尺二寸,小ヤキ串ト云時ハ一尺成ルベシ,大焼串ノ時ハ,節ヨリ上七寸,節ヨリ下五寸〉といったぐあいに,流派ごとに寸法や削り方に規式を設けていた。

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大辞林 第三版の解説

くし【串】

先端のとがった、鉄・竹・木などの細い棒。魚介・肉・野菜・だんごなどを刺してあぶったり干したりするのに使う。 「 -刺し」 「 -焼き」
蠟燭ろうそくのしん。 「ちやくちやくと取れ蠟燭の-/犬子集」
玉串。 「其の御幣の-に書き付けて/今昔 24

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


くし

肉や野菜などをこれに突き刺して、焼いたりあぶったり、または仕上がりの姿をよくする場合などに用いる調理器具。材質により金串竹串、プラスチック串があり、形や長さもいろいろである。金串には棒串(丸串)と平串のほか、ブロシェットとよばれる洋風の飾り串、フォンデュ用などもある。竹串は田楽(でんがく)用、団子用といったように目的別につくられたものが多く、プラスチック串は飾り用が主である。
 古代においては「やいぐし」(焼串)、「いくし」(斎串、五十串)とも称し、『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』には「細く竹を削るなり」とある。一般に焼き串として使用され、中世に入るとしだいに規格化された。室町時代の『四条流包丁書(しじょうりゅうほうちょうがき)』には、大焼き串が長さ1尺2寸(約36センチメートル)、小焼き串が1尺(約30センチメートル)、また型も節目を基準として、大が上7寸、下5寸、小が上6寸、下4寸と定めており、どちらも上は竹の甲をよく削り、下はそのまま残すとしている。江戸期に入ると、田楽などにも使用されるようになって用途が広まり、種々の規格のものができた。[河野友美・森谷尅久]

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精選版 日本国語大辞典の解説

くし【串】

〘名〙
① 竹または鉄などで、箸のように細長く先をとがらせて作ったもの。魚肉獣肉、野菜などを貫き通して、あぶったり干したりするのに用いる。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
太平記(14C後)一〇「串(クシ)指したる魚肉の如く」
② 細長くて、物を貫き通すのに用いるものの総称。
書紀(720)神代上「捶籤、此をば久斯(クシ)社志と云ふ」
※平家(13C前)一一「船はゆりあげゆりすゑただよへば、扇もくしにさだまらずひらめいたり」
③ ろうそくの芯。
俳諧・犬子集(1633)一四「ながく只成たがりぬる座敷にて ちゃくちゃくととれ蝋燭の串〈貞徳〉」
④ 幕をたてるための細い棒。幕串(まくぐし)
※俳諧・野集(1650)六「上にかたかた下にかたかた 的にあたり串にあたれる矢も有て」
陰茎をいう俗語

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