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ボウ

デジタル大辞泉の解説

ぼう【棒】

まっすぐで細長い木・竹や金属製のものなど。「でたたく」「天秤(てんびん)
棒術。また、棒術に使う長さ6尺(約1.8メートル)ほどの丸いカシの木。「の使い手」
音楽の指揮棒。「を振る」
まっすぐ引いた太い線。「不要な字句をで消す」
疲れなどで足の筋肉や関節の自由がきかなくなること。「足がになる」

ぼう【棒】[漢字項目]

[音]ボウ(呉)
学習漢字]6年
細長い木や金属。「棒術相棒(あいぼう)片棒金棒(かなぼう)警棒棍棒(こんぼう)心棒打棒痛棒鉄棒綿棒麺棒(めんぼう)針小棒大用心棒
棒で打つ。「棒喝」
まっすぐに描いた線。「棒線
一本調子であるさま。「棒暗記
[難読]篦棒(べらぼう)棒手振(ぼてふ)り

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世界大百科事典 第2版の解説

ぼう【棒】

棒は棒切れと呼ばれるごとく,手近に得られる木材を主としてさすが,道具を身体の延長と考えると,棒はまず手の延長となり民具として実用的に使用される。これには武器としての棒も含まれる。次に,棒には象徴的な意味があり,神霊の依代祝棒となるほか樹木崇拝や柱の信仰などとも関連する。 民具としての棒には主として突く,打つ,支える,延ばす,かつぐなどの機能がある。豆をまく際に植え穴をあける〈豆植え棒〉,麦の脱穀に用いる〈クルリ棒〉,人や物を支える〈杖〉や〈てんびん棒〉,食品加工に用いる〈こね棒〉や〈麵棒〉などが代表であるが,このほか農具の〈掘り棒〉〈わら打ち棒〉〈豆打ち棒〉,運搬具の〈梶棒〉〈荷い棒〉〈荷杖〉,食品加工具の〈すりこぎ〉など枚挙にいとまがない。

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大辞林 第三版の解説

ぼう【棒】

手に持てるくらいの細長い木・金属・竹など。 「短い-」 「マッチ-」
六尺(約1.8メートル)くらいの木を武具としたもの。また、それを用いる武術。棒術。
まっすぐに引いた線。棒線。 「横に-を引く」
疲労などのために足の筋肉がつっぱってしまうこと。 「足が-になる」
一直線であること。単調で変化のないこと。また、連続すること。 「台詞せりふを-に読む」 「 -暗記」
〘仏〙 禅宗で、師が指導のために用いる棒。一棒。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


ぼう

人類史上の非常に長い期間にわたり、棒は人間の用いた木質素材の大部分を占めた。大直径樹木の伐採と大体積木材の成形は石器時代には困難であった。金属器時代に入っても、加工用具(とくに鋸(のこぎり))の製造技術が発達し、材木市場が充実するまでは、大体積木材の取得、成形には庶民の手が届かず、得やすい枝、小さな木の幹に手を加えた棒を多目的に利用するのが普通だった。世界の諸民族の少なからぬ部分が、長い棒を縄で縛り合わせた骨組と泥、石、小枝、枯れた草などの入手の容易な素材を組み合わせた住居に住み、棒の原料などを燃やして加熱した食物を同じ燃料で焼成した土器で食べたのは、大直径の材木、大量の薪(まき)を利用しにくかったからである。人類の文化を発展させた道具はその発生から、たたく(槌(つち)類)、切る(ナイフ、斧(おの)など)、削る(鑿(のみ)、丁斧(ちょうな)など)、穴あけ(錐(きり)など)、押さえる(鋏(はさみ)類)などの定型化した道具に至るまで、手でつかむ部分を棒でつくるのが原則だった。加熱処理した尖頭(せんとう)部とドーナツ型重り石をつける部分を両端とするタイプを原型とする「掘棒(ほりぼう)」(豆植え棒など)、シードビーター(扱箸(こきばし)、豆打ち棒など)、調理用の棒(こね棒、すりこぎなど)は採集文化から出現し、農耕文化では鍬(くわ)、鋤(すき)、鎌(かま)などの刃をつけた棒状農具が加わった。棍棒(こんぼう)、槍(やり)、刀剣、銛(もり)、矢などの刃をつけた棒型具、棒を利用したわな類は狩猟・漁労用具、武器として発達した。宗教的象徴にも利用された牧畜用の杖(つえ)は、棍棒または尖頭器のない槍の変形だろう。皮革、藁(わら)などの繊維製品材料や繊維製品自体を調整するたたき棒、糸を紡ぐ錘(つむ)、織布用の梭(ひ)なども重要な棒状用具である。採集狩猟で得た食糧も運んだ掘棒、槍を原形とする陸上運搬用の棒は、車の発達しなかった地域では発達し、日本では天秤(てんびん)棒を用いた零細商業の「棒手振(ぼてふ)り」、駕籠(かご)(乗り物)の進行方向を決める「先棒かつぎ」などの慣用句が生まれた。
 宗教的支配者が手にした神権的象徴としての棒は、古代エジプトの宗教をはじめとする多数の制度的・国家的宗教の重要呪物(じゅぶつ)だった。男性の象徴としての棒に特別な意味を考え、増産儀礼に用いる文化も少なくなかった。日本では、先史時代の石棒に性的象徴性が予想され、民俗例では小(こ)正月行事に用いる多様な祝い棒(嫁打ち棒、粥掻(かゆかき)棒など)に同様の性的呪力があるとされた。[佐々木明]

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