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交換輸血 こうかんゆけつexchange transfusion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

交換輸血
こうかんゆけつ
exchange transfusion

一方の血管から放血すると同時に,他方の血管から輸血することにより,体内血液を輸入血液でそっくり置換すること。新生児の重症溶血性貧血 (体内の赤血球崩壊が進み,造血が間に合ないために起る貧血) ,重症肝障害などの治療に行われる。

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百科事典マイペディアの解説

交換輸血【こうかんゆけつ】

新生児の黄疸(おうだん)が強く,脳の機能が冒されて死亡したり,脳性麻痺(まひ)の原因になる可能性が考えられるときに行われる。適正な血液型の新鮮な血液を臍(さい)静脈を通じて入れ,同時にたとえば縦走洞から瀉血(しゃけつ)して,体内の血液と交換する。

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栄養・生化学辞典の解説

交換輸血

 新生児が溶血性疾患のとき,生後行われる血液の交換.現在は血清ビリルビン値が異常に高い新生児に対しても行われる.

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世界大百科事典 第2版の解説

こうかんゆけつ【交換輸血 exchange transfusion】

ヒトの血液内にある有毒成分を急激に体外へ排除するために,その血液を抜き取り,新しいよい血液を輸血する治療法。最も有名なのは,Rh式やABO式血液型不適合妊娠によっておこる胎児新生児溶血性疾患のときに行われるもので,これは出生後すぐに臍(さい)静脈(へその中にある静脈)を使って黄疸色素のビリルビンや血液型不適合妊娠のためにできた抗体を含んだ血液を除去するために行われる。この治療により,新生児の脳組織における黄疸,すなわち核黄疸の発生を防止し,脳性麻痺から守ることができる。

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大辞林 第三版の解説

こうかんゆけつ【交換輸血】

血液内の有毒成分を速やかに排除するために、全血液を入れかえる療法。母親と胎児の血液型不適合、劇症肝炎、毒物中毒などのときに行う。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

交換輸血
こうかんゆけつ

新生児の血液を瀉血(しゃけつ)しながら輸血して全血液を置換することで、母子の血液型不適合による新生児溶血性疾患の治療法として開発されたものである。核黄疸(おうだん)の発症と血清ビリルビン濃度との関係が明らかにされてからは、血液型不適合にかかわりなく血清総ビリルビン量が一定レベル(1デシリットルにつき20ミリグラム)以上の新生児に対して行われるようになった。最近は重症黄疸以外の疾患、感染症、薬物中毒などにも行われている。
 新生児の全血液量の約2倍の新鮮ヘパリン血(ヘパリンで凝固を防いだ血液)またはクエン酸ナトリウムで凝固を防いだACD血を用いて血液を交換し、血中のビリルビンとともに抗体も除去する。2時間くらいかけて行ったほうが効果的である。1本の静脈を使って交互に瀉血と輸血を繰り返す方法と、動脈からの瀉血と静脈からの輸血を同時に持続的に行う方法があるが、一般には前者の場合が多い。理想的には2本の臍(さい)動脈からそれぞれ除去と注入を行って循環血液量が一定に保たれるようにしたほうがよい。重症の例では単に1回にとどまらず2、3回、ときには数回にわたって行われることがある。[坂上正道]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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