付け(読み)ツケ

デジタル大辞泉 「付け」の意味・読み・例文・類語

つけ【付け/▽附け】

[名]
1 支払い請求書。勘定書き。書きつけ。「会社に―を回す」
2 その場で支払わないで店の帳簿につけさせておき、あとでまとめて支払うこと。また、その支払い方法。「―で飲む」「―がきく」
3 運。つき。つごう。
「途中から―が悪わりいから」〈魯文・西洋道中膝栗毛〉
4 (ふつう「ツケ」と書く)歌舞伎で、立ち回り・駆け足・打擲ちょうちゃくの音などを表現し、また見得みえを印象づけるため、舞台上手の横で、役者の動作に合わせて板を拍子木に似た柝きで打つこと。また、その拍子。上方では「かげ」という。付け拍子。
5 「付け帳」の略。
6 手紙。
「此中こんぢう―をよこした女あまよ」〈滑・浮世床・初〉
[接尾]動詞の連用形に付いて、いつもそうしている、…しなれている、などの意を表す。「掛かり―の医者」
[類語](2)信販・クレジット・掛け売り

づけ【付け/▽附け】

[接尾]日にちを表す数詞に付いて、その日の発行・発令、または差し出しである意を表す。「四月一日―の発令」「五日―の書簡」

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精選版 日本国語大辞典 「付け」の意味・読み・例文・類語

つけ【付・附】

  1. [ 1 ] ( 動詞「つける(付)」の連用形の名詞化 )
    1. ① 帳簿や請求書に書きしるすこと。
      1. (イ) 勘定書き。支払い請求書。書き出し。
        1. [初出の実例]「附けを見て・しゃくりのとまる凉み床」(出典:雑俳・一夜泊(1743))
      2. (ロ) その場で払わず、あとでまとめて支払うことにして帳簿にしるしておくこと。また、その支払い方法。
        1. [初出の実例]「実はこの八十幾円の附けに対して、今日五十円だけ預ければ」(出典:続百鬼園随筆(1934)〈内田百〉大晦日)
        2. 「ここはね、つけがきくんだ」(出典:セルロイドの塔(1959)〈三浦朱門〉九)
    2. ② 手紙。
      1. [初出の実例]「此中(こんぢう)附(ツケ)をよこした女よ〈略〉〈附とは手紙のこと〉」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)
    3. ③ その人についてまわる運。めぐりあわせ。
      1. [初出の実例]「こんなつけのわりいばんはねへぜア」(出典:洒落本・比翼紫(1801)三)
    4. ④ 妓楼などで遊客にきまって出す料理。
      1. [初出の実例]「客も料理よくする家をばつけのよき家と慕へば」(出典:随筆・麓の色(1768)二)
    5. ⑤ 自慢すること。〔譬喩尽(1786)〕
    6. ⑥ 理由。
      1. [初出の実例]「勘当受たおれがからだ、どふしてどふして二親が何のつけに逢ふものかへ」(出典:歌舞伎・与話情浮名横櫛(切られ与三)(1853)八)
    7. ⑦ 歌舞伎で、役者が見得(みえ)を切る時、立ち回りや舞台への出入りの時など、その動作を強く印象づけるため、舞台上手(かみて)で、役者の動作に合わせて、板(つけ板)を拍子木様の二つの木でたたくこと。また、その拍子。東京では大道具方、上方では狂言方が打つ。つけうち。つけびょうし。かげ。→付を打つ。
      1. [初出の実例]「ヲイおはやし爰で一つ付(ツケ)がいるぜ」(出典:滑稽本・八笑人(1820‐49)四)
    8. ⑧ しそこなうこと。〔新撰大阪詞大全(1841)〕
  2. [ 2 ] 〘 造語要素 〙 動詞の連用形に付いて、いつもしなれていることの意をそえる。
    1. [初出の実例]「平生かかりつけの甘木先生を迎へて診察を受け」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉八)

づけ【付・附】

  1. [ 1 ] 〘 造語要素 〙 ( 動詞「つける(付)」の連用形から )
    1. ① 名詞について、それで物を付けることを示す。「糊(のり)づけ」「ハンダづけ」など。
      1. [初出の実例]「花川さままいる二三よりとうらかきそくゐ付ながら念を入て印判おしたるうへに」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)一)
    2. ② 敬意を表わす接尾語について、それを付けて呼ぶこと、その程度の待遇であることを示す。「さんづけ」「君(くん)づけ」など。
    3. ③ ( 日付の意 ) 日を示す数詞について、その日を発行または差し出しの日として記してあるものを示す。「一日づけの新聞」
      1. [初出の実例]「五月二日附(ヅケ)の一通」(出典:おとづれ(1897)〈国木田独歩〉上)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 芝居狂言の番付をいう。〔通人語辞典(1922)〕

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