令旨(読み)りょうじ

  • ▽令旨
  • りょうじ リャウ‥
  • りょうじ〔リヤウ〕
  • れいし

百科事典マイペディアの解説

古文書の一つ。皇太子・三后(太皇太后,皇太后,皇后)・中宮・親王の命を伝える文書。奈良・平安時代のもので伝わるものは少なく,中世には奉書の形のものが多い。なお出家して延暦寺や仁和(にんな)寺等の門主(もんす)になった皇族が出す文書,また女院の出す文書も旨という。
→関連項目以仁王

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

皇太子の言詞あるいはその意を奉じた文書。三后(皇后,皇太后,太皇太后)のものもこれに準ずる。公式令の令旨式によると,令を受けた人が春宮坊(とうぐうぼう)に口頭で伝え,春宮坊から文書にして皇太子(三后)に施行の許可を求める。これに対し皇太子(三后)みずから日付を書き加えることになっていた。これは正文として保管され,さらに1通を写して施行する。施行の方法は,春宮坊(中宮職)の(げ)によって太政官(だいじようかん)へ上申される場合と,その他の諸司(い)または(ちよう)によって伝達される場合とがあった。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

皇太子と三后の命令を下達する文書。のち、女院・親王・諸王らの文書にもいう。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

皇太子、皇后、皇太后、太皇太后の命令を伝えるため発行された文書。公式令(くしきりょう)に書式の規定がみえるが、この種の令旨は現存せず、平安時代以降盛んとなった奉書様式の令旨が伝存している。またこのころから、親王・女院(にょいん)や、仁和寺(にんなじ)・延暦寺(えんりゃくじ)などの門跡(もんぜき)となった皇族、准三后(じゅさんごう)の出す文書や、摂関家ほかで発行した宣旨(せんじ)様式の文書も令旨とよばれた。現在、南北朝時代に活躍した南朝方の親王発給の令旨が多く残っている。[百瀬今朝雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 公式様(くしきよう)文書の一つ。皇太子ならびに三后(太皇太后・皇太后・皇后)の命令を伝えるために出される文書。後には親王・法親王・王・女院などの皇族から出される文書をもいう。平安時代以降の令旨の様式は綸旨・御教書と同様に奉書形式で、書留文言に「令旨」の語が含まれることが多い。れいし。
※続日本紀‐宝亀元年(770)八月庚戌「皇太子令旨、如聞、道鏡法師」
〘名〙 (「れいじ」とも) =りょうじ(令旨)
※延慶本平家(1309‐10)一本「高倉宮の令旨(レイシ)を給て」 〔金史‐章宗紀・一〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

旺文社日本史事典 三訂版の解説

律令制下,皇太子・三后(太皇太后・皇太后・皇后)の命令を伝えた文書
平安中期以後,親王・女院・諸王の出す文書も令旨と呼ばれた。平氏打倒の挙兵を呼びかけた以仁王の令旨が有名。

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典内の令旨の言及

【公家様文書】より

…また上卿から外記(げき)に命じて発給させる外記方宣旨,上卿から弁に命じ,弁から史に命じて作成される弁官方宣旨,遥任の国司や大宰帥が多くなったため,在国の官人に国司や帥の命を伝える国司庁宣,大府宣もこの系統である。公家様文書溯源の第2は,私文書たる書状の系譜を引くもので,綸旨(りんじ),院宣,令旨(りようじ)(公式様とは別),御教書(みぎようしよ),長者宣などである。貴人の側近に仕える人(天皇の場合は蔵人,上皇の場合は院司)が主人の仰せを承り,書状の形式で相手に伝えるもので,本来私文書であるが,仰せの主体の権威がそのまま文書の効力に機能した。…

※「令旨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

児童相談所

子供の福祉に関する相談に応じ,援助などを行なう行政機関。児相と略称される。児童福祉法に基づき,都道府県と政令指定都市に設置が義務づけられている。運営は厚生労働省の局長通知,児童相談所運営指針にそって行...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

令旨の関連情報