翻訳|pseudomorph
鉱物がその外形を保ったまま他の鉱物によって置換された場合にその生成体を仮像と呼ぶ。この場合,化学組成が変化しない場合と変化する場合がある。前者の例としては,CaCO3の化学組成をもつアラレ石(斜方晶系,柱状となることが多い)が,その外形を保ったまま方解石(三方晶系)に変化する場合,すなわち化学組成は変化せず内部原子の配列が変化した場合である。後者の例としては,化学組成FeS2の黄鉄鉱(立方晶系,直方体・八面体をなすことが多い)が,その特有なシンチュウ色を失い褐色の針鉄鉱(化学組成FeO・(OH),斜方晶系,針状結晶,その放射状集合体)に変化することがある。さらに化学組成がまったく変化する場合もある。たとえば,蛍石(CaF2,立方晶系,直方体をなすことが多い)が石英(SiO2,三方晶系)の微晶により置換される場合である。仮像が生じるのは,その鉱物が生成した後,物理化学的条件など地質学的環境が変化したためである。仮像の存在から,その場所の地質環境がどのように変化したかを知ることができる場合もある。化石の場合,木の組織あるいは動物の硬質部分などが方解石,石英,オパールなどの鉱物で置き換えられたものをいい,ケイ化木はその代表例である。
執筆者:湊 秀雄
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…鉱化ないし石化は,地下水が完全に硬組織を溶解し,代りに他の物質を沈殿する作用であって,この場合は古生物の原組織が残されない。こうした置換でできた化石を元来の硬組織の仮像(かぞう)pseudomorphという。
【化石の産状】
地層中に見られる化石の状態は,古生物の生態(古生態)や化石・地層の成因を探る重要な手がかりとなる。…
…鉱化ないし石化は,地下水が完全に硬組織を溶解し,代りに他の物質を沈殿する作用であって,この場合は古生物の原組織が残されない。こうした置換でできた化石を元来の硬組織の仮像(かぞう)pseudomorphという。
【化石の産状】
地層中に見られる化石の状態は,古生物の生態(古生態)や化石・地層の成因を探る重要な手がかりとなる。…
※「仮像」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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