(読み)キュウ

デジタル大辞泉 「休」の意味・読み・例文・類語

きゅう【休】[漢字項目]

[音]キュウ(キウ)(漢) [訓]やすむ やすまる やすめる いこう
学習漢字]1年
仕事をやめて心身をやすめる。やすむ。「休暇休憩休日休息休養帰休定休不休
活動を一定期間停止する。やめる。「休会休刊休講休止休戦休火山遊休閑話休題
喜ばしい。しあわせ。「休祥休戚きゅうせき
「休暇」「休日」の略。「産休連休
[名のり]たね・のぶ・やす・やすし・よし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「休」の意味・読み・例文・類語

やすらいやすらひ【休】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「やすらう(休)」の連用形名詞化 )
  2. 心が迷って、行動に移れないこと。悩んでためらうこと。躊躇(ちゅうちょ)。いざよい。
    1. [初出の実例]「山の住まひは秋のけしきも見給へんとせしに、又うき時のやすらひにて中空になん」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
  3. たたずんで、先へ行かないこと。
    1. [初出の実例]「道のべやこの下毎の休らひに待つらむ花の宿やくれなむ〈伏見院〉」(出典:玉葉和歌集(1312)春下・一五七)
  4. 休息すること。休むこと。
    1. [初出の実例]「昼の休らひとて旅店に腰を懸て」(出典:俳諧・野ざらし紀行(1685‐86頃))

やすまり【休】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「やすまる(休)」の連用形の名詞化 )
  2. 休まること。休み。
    1. [初出の実例]「安らかに打ちふしたる斗りを、身のやすまりにておはするに」(出典:とりかへばや物語(12C後)中)
  3. 休むために体を支えるもの。休み場所。
    1. [初出の実例]「高欄に背中をあてて、それをやすまりに眠(ねぶ)り集まり給ふ」(出典:栄花物語(1028‐92頃)玉の飾)

やすめ【休】

  1. [ 1 ] 〘 感動詞 〙 ( 動詞「やすむ(休)[ 一 ]」の命令形から ) 休むことを命ずる時に発する号令。休憩せよ。休息しろ。不動の姿勢・緊張の状態を解け。〔五国対照兵語字書(1881)〕
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 ( [ 一 ]から転じて ) 休むように号令をかけること。また、その時の姿勢。
    1. [初出の実例]「あれだけ烈しい銃丸の弾道であった青草の上に『休め』をしてゐた」(出典:初年兵江木の死(1920)〈細田民樹〉二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「休」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(異体字)
9画

[字音] キュウ(キウ)
[字訓] さいわい・やすむ・やむ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
人+木。木はもと禾形に作る。禾は袖木のある柱。軍門として左右に立てる表木。金文の図象にその両禾軍門の象を示すものがある。その表木の前で、軍功の人を表彰することを休という。金文に、〔匡(きようゆう)〕「王曰く、休(善)なりと。匡、拜手稽首し、天子の丕(おほ)いに顯らかなる休(嘉命)に對揚(奉答)す」のように用いる。〔説文〕六上に「息止するなり。人の木に依るに從ふ」とするのは、形義ともに誤る。字はまたに作り、その儀礼の中廷で行った。字が禾に従うことについて、郭沫若は軍行中は禾中を避けずに休息する意であるとするが、わざわざ作付けの地を択んで休息することはない。軍門旌表の意よりして、休善・休烈・休休寧の意となる。のち休暇・休息の意に用いる。

[訓義]
1. さいわい、よい、めでたい、よろこび。
2. さかん、大きい、うるわしい。
3. やすらか、つつましい、ゆるす、おちつく。
4. やすむ、やむ、いこう。
5. ひま、いとま。

[古辞書の訓]
名義抄〕休 ヤスム・ヤスシ・ヤム・イコフ・ヨシ・ヰル・ヲコル・トドマル・トトノフ 〔字鏡集〕休 ヨロコビ・イコフ・ヨシ・サイハヒ・ヲコタル・ヤスシ・トトノフ・サダム・ヤム・トドマル・ヲサム・ヰル・ヤスム

[声系]
休はまたに作る。(こう)の異文にがあり、の形声の字であろう。

[語系]
休()xiu、好xu、畜・xiukは声近く、休善の意において通ずる。〔孟子、梁恵王下〕に「君を畜(この)むとは、君を好むなり」とみえるが、本来は休善とすることをいう。

[熟語]
休意休懿・休逸・休詠休謁・休宴休偃・休応・休下・休暇・休嘉・休仮休澣・休帰・休気休棄・休休休咎・休居・休享・休勲・休慶・休憩休歇・休・休遣・休顕・休・休行・休光休告・休妻・休作・休止休祉・休時・休日・休舎・休書・休祥休職・休神・休盛休戚・休休祚・休息・休足休惰・休退・休題・休沢・休致・休徴・休兆・休暢・休・休貞・休提・休禎・休典・休図・休・休徳・休寧・休廃・休範・休美・休風・休福・休兵・休平・休命・休明・休名・休沐・休佑・休祐・休裕・休誉・休予・休養・休浴・休隆・休糧・休令・休烈・休老・休和
[下接語]
運休・偃休・王休・恩休・嘉休・帰休・恵休・公休・皇休・告休・受休・紹休・垂休・息休・退休・長休・定休・停休・禎休・罷休・丕休・兵休・祐休・連休

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android