住ノ江(読み)すみのえ

日本歴史地名大系 「住ノ江」の解説

住ノ江
すみのえ

[現在地名]芦刈町大字永田字住ノ江

文化八年(一八一一)の平吉郷絵図に「隅江渡」とあり、集落は記載されていない。六角ろつかく川の河口で、小城郡杵島きしま郡をつないでいる。天保―安政年間(一八三〇―六〇)に集落の成立をみたものと考えられる。

「肥前国長崎県小城郡村誌」(明治一五年刊)に「住ノ江渡、村ノ西南二十三町、字竜王籠ニアリ里道ニ属ス、六角川ヲ渡テ杵島福富村ニ至ル、川幅百五十間、福富村ヨリ渡船一艘ツツヲ出ス、此地汽船碇泊、石炭積入之処」と当時の様子を記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「住ノ江」の意味・わかりやすい解説

住ノ江
すみのえ

佐賀県有明(ありあけ)海湾奥部、六角川(ろっかくがわ)河口近くの地名左岸の小城(おぎ)市芦刈町(あしかりちょう)と、右岸の杵島(きしま)郡白石町(しろいしちょう)の両方にある。住ノ江港で知られる。いまはノリ漁船でにぎわう漁港であるが、かつては杵島炭鉱などの石炭積出し港としてにぎわった。「住ノ江渡(わたし)」にかわって1955年(昭和30)住ノ江橋が完成し、有明海沿岸の幹線交通路(国道444号)となる。なお、住ノ江港付近では干満差(満潮干潮のときの海面の高さの差)が日本最大で、平均5.4メートルに達する。

[川崎 茂]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「住ノ江」の意味・わかりやすい解説

住ノ江
すみノえ

佐賀県南部佐賀平野の南部,六角川河口にある港。白石町と対岸小城市に同名の集落がある。大正年間までは六角川の水運を利用し,杵島炭鉱の石炭積出港として繁栄したが,その後貨車輸送への転換と石炭産業不況の影響で衰退。その後石油輸入港および漁港となった。 1955年住ノ江橋架設後,国道 444号線が通じ,往年の渡船は廃止された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報