デジタル大辞泉 「こそ」の意味・読み・例文・類語
こそ[係助・終助・接尾]
1 ある事柄を取り立てて強める意を表す。「今
「もののあはれは秋―まされ」〈徒然・一九〉
2 ある事柄を一応認めておいて、それに対立的、あるいは、否定的な事柄を続ける。「感謝
「昔―
3 文末にあって、言いさして強める意を表す。「これはこれは、よう
「深く信をいたしぬれば、かかる徳もありけるに―」〈徒然・六八〉
[補説]古語では、文中にあって「係り」となり、文末の活用語尾を已然形で結ぶ。また、上代では連体形で結ぶこともある。係助詞「ぞ」「なむ」に比し、強調の度合いが強いといわれる。2は、現代語では、多く「こそあれ」「こそすれ」「こそするが」などの形で用いられる。3は、「こそ」に続く述語部分を省いたもので、古語では、「あれ」「あらめ」「言はめ」が省かれることが多い。
[終助]《上代語》用言の連用形に付く。願望を表す。…てほしい。…てくれ。
「ぬばたまの夜霧に
[接尾]
1 人名などに付けて、呼びかけに用いる。
「聞き給ふや、西―といひければ」〈大和・一五八〉
2 子供の名に付けて、親愛の意を添える。
「忠―五になる年の三月に」〈宇津保・忠こそ〉