美術団体。黒田清輝を中心に結ばれた外光派の洋画団体白馬会が1911年(明治44)に解散すると,その有力メンバーであった中沢弘光,山本森之助,三宅克己,杉浦非水,小林鐘吉,跡見泰,岡野栄を発起人として翌12年3月に結成され,その年の6月,上野竹之台で第1回展覧会を開催した。当時,印象派以後の新しい美術思潮の刺激を受け,個性的な表現を唱える若い層が増大していたが,この会に拠(よ)る画家たちは黒田の穏健な画風を引き継ぎ,官展系の団体として結束を崩さなかった。その後,小林万吾,南薫造,辻永,田辺至,太田喜二郎,赤松麟作,大野隆徳,徳永仁臣,広瀬勝平,後藤工志,児島虎次郎などを会員に加えた。さらに第2次大戦前から絵画部のほかに工芸部も設け,毎年春に公募展を開催して今日にいたっている。
執筆者:原田 実
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洋画、工芸の美術団体。1911年(明治44)白馬(はくば)会が解散したのち、その中堅会員であった中沢弘光、山本森之助、三宅克己、杉浦非水、岡野栄、小林鐘吉、跡見泰(たい)らが発起人となり翌12年に結成、同年6月上野竹之台陳列館において第1回展を催した。その後、工芸部を新設し、小林万吾(まんご)、南薫造(くんぞう)、辻永(ひさし)、児島虎次郎(とらじろう)、鬼頭鍋三郎(きとうなべさぶろう)らを順次会員に迎え、毎年春に公募展を開催している。創立に際しとくに掲げた主義主張はないが、穏健な写実的作風を主流とする官展系美術団体として存続し、現在一水会と並ぶ日展の強力な支持団体となっている。
[佐伯英里子]
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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