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明治期の洋風美術団体。1896年黒田清輝,久米桂一郎を中心とする外光派の画家たちによって結成された。はじめ黒田らも明治美術会に参加していたが,芸術家の自由を標榜し感覚の解放を求める外光派の人たちにとって会の古い体質は耐えがたく,退会して新たな団体をつくることになったものである。黒田,久米のほか岩村透,山本芳翠,藤島武二,岡田三郎助,和田英作,小代(しようだい)為重,小林万吾,長原孝太郎,彫刻の菊地鋳太郎,佐野昭(あきら),版画の合田清らが加わった。結成の年最初の展覧会を開き,1910年に第13回展を開催して解散した。世間から新派あるいは紫派と呼ばれたこの会は,文芸界の浪漫主義思潮に呼応して勢いを伸ばし,旧派あるいは脂派(やには)と呼ばれた明治美術会を圧倒して洋風美術の主流になった。付属機関として設けられた白馬会絵画研究所が美術家養成に果たした役割も小さくない。なお解散後の12年,同系の中堅画家たちは光風会を結成した。
執筆者:原田 実
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明治の洋風美術団体。1896年(明治29)9月、黒田清輝(せいき)、久米桂一郎(くめけいいちろう)らが中心となり、明治美術会の官僚的組織や暗い作風を不満として脱退した絵画、彫刻、版画の作家たちが結成、評論家の吉岡芳陵、岩村透(とおる)らも参加した。会の傾向は黒田、久米らが紹介したフランスの明るい外光派風が顕著で、活動としては同年10月、岡倉天心の率いる日本絵画協会と合同で第1回展を開催、1910年(明治43)の解散まで13回を数えた。その間、絵画の和田英作、藤島武二、青木繁(しげる)や彫刻の小倉惣次郎(そうじろう)らが名作を発表、しだいに明治美術会を圧倒して画壇の主流となっていった。ちなみに会名は、会の同志たちがしばしば白馬(しろうま)(どぶろく)を飲みつつ談論したことに由来する。
[佐伯英里子]
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明治期の洋画の美術団体。1896年(明治29)2月,黒田清輝・久米桂一郎を中心に結成された。外光派風の明るく自由な画風は青年画家らの支持を集め,明治美術会から太平洋画会に至る洋画旧派に対して新派を形成した。96年から13回の展覧会を開催。1903年白馬会賞を設け,05年には機関誌「光風」を創刊した。11年に解散。
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…しかし,それらはあまり大きな反響を呼ばず,むしろ黒田たちの折衷主義の方が迎えられたのである。この新風は,96年,東京美術学校に西洋画科が設けられて黒田がその主任となり,またそれまでの明治美術会に対して黒田を中心とする白馬会が結成されるに及んで大きな力となり,従来の旧派,脂(やに)派に対して,新派,紫派と呼ばれて,その後の日本洋画の中心的傾向となった。この傾向は,黒田の弟子の岡田三郎助,和田英作(1874‐1959),湯浅一郎(1868‐1931),中沢弘光(1874‐1964),藤島武二らに受け継がれ,青木繁も,一時印象派風の海浜風景を描いた。…
…日本ではコランに学んだ黒田清輝,久米桂一郎によって明治20年代後半(1890年代)にもたらされ,陰影部分に紫を用いたことから紫(むらさき)派,また新派と呼ばれ,それ以前の明治初期以来の洋画家たちを脂(やに)派,旧派と呼んだ。日本の外光派は明治30年代白馬会に結集し,旧派を圧倒して大正期まで日本洋画界の主流を形成した。【陰里 鉄郎】。…
…また結城素明(1875‐1957),平福百穂,島崎柳塢(りゆうう)(1856‐1938)らは東京で无声会(むせいかい)を結成し(1900),西洋画の写生を研究して自然主義的な新しい日本画をもたらすことになる。
[明治美術会と白馬会]
明治10年代の後半,洋画家たちは一時息をひそめたが,この間にヨーロッパに渡った山本芳翠(フランス),原田直次郎(ドイツ),松岡寿(イタリア)らが帰国し,洋画界の新しい活動力となる。彼らは1889年浅井忠,小山正太郎,本多錦吉郎(きんきちろう)(1850‐1921。…
※「白馬会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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