兎・兔(読み)う

大辞林 第三版の解説

う【兎・兔】

「うさぎ」の古い言い方。 → うの毛

うさぎ【兎・兔】

ウサギ目の哺乳類の総称。耳が長い。前脚が短く、後脚が長く、よく走る。上唇は縦に裂け、いわゆる三つ口で、上顎じようがくの門歯が二対ある。草食。野ウサギ類と穴ウサギ類に分けられ、ヨーロッパの穴ウサギを家畜化して品種が多い。肉は食用。チンチラやレッキスは毛皮が珍重され、アンゴラの毛は羊毛などと混紡して糸・織物とする。 [季] 冬。 〔鳥に擬して、一羽二羽とも数える。月に兎がすむという伝説は仏教説話で、インドから中国を経て日本にもたらされたが、月の兎の餅つき伝説は日本独自のもの〕

おさぎ【兎・兔】

〔上代東国方言〕
ウサギ。 「等夜の野に-狙ねらはりをさをさも/万葉集 3529

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

うさぎ【兎・兔】

〘名〙
① ウサギ科の哺乳類の総称。また、イエウサギの呼称。耳が長く、後ろ足は前足より長い。口には長いひげがあり、上唇は縦に裂けている。草食性で繁殖力が強い。アンゴラ、チンチラ、日本白色種などのイエウサギは、ヨーロッパ原産のアナウサギを家畜化したもの。野生のものにノウサギ、ユキウサギ、アマミノクロウサギなど一一属四二種がある。肉は食用に、毛は羊毛とまぜたり筆の材料にしたりする。う()。おさぎ。《季・冬》
※本草和名(918頃)「菟頭骨菟竅〈略〉和名宇佐岐」
※百座法談(1110)六月一九日「くすしも女もうさぎの血を師子の血とまうして」
② 紋所の名。兎の形を模様にする。マムキウサギ、ミツコウリンウサギなど種々ある。
③ 寝すごして約束の時間に遅れる者。〔東京語辞典(1917)〕
[語誌]「古事記‐上」「因幡風土記逸文」には、鰐を騙す狡猾な側面と、騙した相手に報復される無力な姿とが対照的に描かれる。仏典に典拠を持つ「今昔‐五・一三」には、帝釈が化した老人をもてなすために、兎が我が身を焼いて供する説話が見える。死後兎はその誠実さをたたえられ月に住むことになるが、この説話は講経談義の場においてさかんに語られ、「月の中で兎が餠をついている」という伝説はこれらを通じて流布されたらしい。

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