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兵庫県神戸市東部,市街地の背後にそびえる花コウ岩からなる山。六甲山地の最高峰で,標高931m(東六甲山)。山頂の西約5km,西六甲山(803m)一帯は平たんな隆起準平原の特色を示し,明治半ば以降外国人の,大正に入ってからは日本人の別荘地として開発された。さらに昭和の初めに六甲ケーブルが建設されて以降,観光地,保養地として急速に発展した。1901年に造られた日本最古のゴルフ場をはじめ,人工スキー場,高山植物園,観光牧場,森林公園,企業の保養所などが多く,六甲山を訪れる観光客は年間700万人を超える。四方からドライブウェーが通じ,北麓の有馬温泉からはロープウェーもある。
六甲山地もまた花コウ岩よりなり,西の須磨浦海岸から東の宝塚まで東西約30km,南北約6kmに及ぶ地塁山地である。南は急傾斜の断層崖で大阪湾に落ちこんでおり,狭い海岸平野に神戸の市街地が発達している。地形的には西から高取山塊,布引山塊,西六甲山塊,東六甲山塊に分けられ,布引以東の高地部は瀬戸内海国立公園に指定されている。その形成は新しく,急速に押しあげられたために各所に断層が走っている。また基盤岩が風化に弱い花コウ岩なので浸食を受けやすく,山麓に扇状地や天井川を発達させた。現在は緑におおわれている六甲山地も明治期には山火事や乱伐のためはげ山であった。1902年から本格的な植林が始まり,とくに38年の阪神大水害以降は大規模な砂防・造林工事が国の直轄で進められた。東縁の甲(かぶと)山は釣鐘状の特異な山容で知られ,中部の摩耶(まや)山一帯は六甲山と並ぶ観光地となっている。山腹を東西に山陽新幹線のトンネルが貫通し,南北に北神急行電鉄と3本の道路のトンネルが貫いている。
執筆者:小森 星児
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
…1956年政令指定都市となり,97年現在9区がおかれている。六甲山が急傾斜の断層崖で大阪湾に落ちこむ山麓に細い帯状の平地が発達し,東西20kmにわたって市街がのびているが,南北は幅の広い所でも4kmしかない。このうち山手は住宅地,浜手は港湾や工場で,中間部が商業地区に利用されている。…
※「六甲山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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