中国の兵書、六韜と三略の2書。前者は太公望呂尚(たいこうぼうりょしょう)、後者は黄石公(こうせきこう)の撰述(せんじゅつ)と伝え、併称して韜略(とうりゃく)の書という。いずれも後世の偽書であるが、宋(そう)代、『武経七書』のうちに組み入れられ、中国古兵法の教科書として広く読まれてきた。六韜は周の文王・武王の問いに対し、呂尚が経世済民(けいせいさいみん)の術、富国強兵の策を説くもので、第1巻は文韜12編・武韜5編、第2巻は龍(りゅう)韜13編・虎韜12編・第3巻には豹(ひょう)韜8編・犬(けん)韜10編、計3巻60編からなり、文・武では治国、龍韜は奇変、虎韜は勇猛果断、豹韜は奇計、犬韜は突進を主題としている。三略は上略・中略・下略の3巻からなり、戦略の機微を上・中・下の三つに分かち、礼賞を設けて奸雄(かんゆう)を分かち、賢者を用いて国の安危を察し、将を御(ぎょ)して衆を暢(の)ぶるの道を明らかにしている。わが国では、934年(承平4)大江維時(おおえのこれとき)が唐から帰朝の際に持ち帰ったと伝え、以後大江家の兵法となり、源家(げんけ)の古伝(こでん)兵法に受け継がれたという。
[渡邉一郎]
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中国古代の兵書。二つの書であるが,つづけて呼ばれることが多い。韜は弓袋のこと,略は部類のこと。六編と三編の書であることをあらわす。《六韜》は周王朝の功臣太公望呂尚(ろしよう)の著と伝えられるが,仮託である。戦国末期の作であろう。内容が豊富で実践上の細かい技術も含まれている。《三略》は漢の功臣張良が黄石公から授かったといい,《黄石公三略》ともいうが,これも仮託で,後漢末のものであるらしい。
執筆者:金谷 治
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