デジタル大辞泉
「中」の意味・読み・例文・類語
ちゅう【中】
[名]
1 物の大きさが、大と小との間であること。「中サイズの衣服」
2 程度・価値・等級・序列などがなかほどであること。良くも悪くもないこと。「クラスで中の上くらいの成績」
3 本を3冊に分けたときの第2冊。中巻。
4 「中学校」の略。「小・中・高の一貫教育」「付属中」
5 どっちにもかたよらないこと。中庸。「中を失わない」「中を取る」
6 「中国」または「中華人民共和国」の略。「日中会談」
7 ある物事をしている途中。
「お話の―だが」〈里見弴・安城家の兄弟〉
[接尾]名詞に付く。
1 あるもの内部にあることを表す。「空気中の酸素」
2 ある範囲・限界を区切る気持ちを表す。「今週中」「夏休み中の宿題」
3 現にその活動をしていることを表す。「授業中」「工事中」
4 その範囲の中に含まれる事柄であることを表す。「不幸中の幸い」「秀才中の秀才」
じゅう〔ヂユウ〕【中】
[名]ある期間のうちのある時。
「此―付け(=手紙)をよこした女よ」〈滑・浮世床・初〉
[接尾]名詞に付いて、その語の示す範囲全体にわたるという意を表す。
1 期間を表す語に付いて、その間ずっとという意を表す。「一日中」「一年中」
2 空間・範囲を表す語に付いて、その区域、あるいはその範囲全体にわたる意を表す。「世界中」「日本中」
3 集団を表す語に付いて、その集団の成員のすべての意を表す。「学校中」「親戚中」
なか【中】[浜松市の旧区名]
浜松市の旧区名。令和6年(2024)に北区の一部・東区・南区・西区と統合され中央区となった。
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なか【中・仲】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- [ 一 ] 限られた物の内側。
- ① 一定の境のある物の内部。
- [初出の実例]「をちこちの礒(いそ)の中(なか)なる白玉を人に知らえず見むよしもがも」(出典:万葉集(8C後)七・一三〇〇)
- 「もと光る竹なん一筋ありけり。あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- ② 両端ある物の中間。二つの物の間、また中央。
- [初出の実例]「老夫と老女と二人在りて、童女(をとめ)を中(なか)に置きて」(出典:古事記(712)上)
- 「なか高き顔して」(出典:紫式部日記(1010頃か)消息文)
- ③ 広い平面などその範囲内の不特定の場所をいう。
- [初出の実例]「船にのりて海の中に出でて」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- ④ 一定の範囲内に同質の物が数多くある場合に、その個々の物をさしていう。それらの物のうちの一つを取り出したりする場合に用いる。
- [初出の実例]「梅の花咲けるが中(なか)に含(ふふ)めるは恋やこもれる雪を待つとか」(出典:万葉集(8C後)一九・四二八三)
- [ 二 ] 抽象的な事態の内部をいう。
- ① ある事態、事柄、状態などについて、その内部に含まれているような場合にいう。
- [初出の実例]「恋ひわびてうちぬるなかに行きかよふ夢のただぢはうつつならなむ〈藤原敏行〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋二・五五八)
- 「露けきなかに過ぐし給ふも」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
- ② 心や思いのうち。心中。心の奥底。
- [初出の実例]「しられじなわがひとしれぬ心もて君を思ひのなかにもゆとは〈よみ人しらず〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋六・一〇一七)
- [ 三 ] ある時とある時との中間の時。
- ① 一定の限界のある時間帯の中間の時間。
- [初出の実例]「なかは中也。ねまかなの反歟。ねは夜のなか也。まは午也。昼のなか也。夜半と日中とをさす也」(出典:名語記(1275)四)
- ② いく日か隔てたある特定の日と日との間。
- [初出の実例]「なか三日かそのあひだに」(出典:説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)一四)
- [ 四 ] 順序を示す。上下、高低、前後などについて、その中間に当たるものをさしていう。多く、三段階に分けて、その中間をさし、「中の」の形でも用いる。
- ① 重なるもの、連なるものの中間に当たるものをいう。「中の衣」「中の戸」「中の社」「中の指」など。
- [初出の実例]「除目の中の夜、さし油するに」(出典:枕草子(10C終)一〇八)
- ② 人の家系、身分などについていう。中流。中位。「中の位」「中の院」
- [初出の実例]「上なか下、みな歌よみけり」(出典:伊勢物語(10C前)八二)
- ③ 兄弟順についていう。
- (イ) 三人の兄弟または姉妹の第二子をいう場合もあり、三人と限定せず第二子をいう時もある。これは中国の「伯仲叔季」の「仲」の訓読からきたともいう。
- [初出の実例]「なかに当るなん姫君とて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)東屋)
- (ロ) 伊豆八丈島で次女をいう。
- [初出の実例]「又此嶋にては、長女(そうりゃうむすめ)をにょこ、二女(にばんむすめ)をなか、〈略〉などと呼びて」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)後)
- ④ 「なかぎり(中切)④」の略。〔新時代用語辞典(1930)〕
- ⑤ 「なかて(中手)①」の略。
- [初出の実例]「稲の種類、〈略〉糯(もち)と粳(うるし)との早(わせ)、中(ナカ)晩(おく)に由て、名を異にせるなり」(出典:小学読本(1874)〈榊原・那珂・稲垣〉三)
- [ 五 ] 人と人との関係。親子、夫婦、兄弟、友人などとしての間柄。その感情的な面を主にしていう。現在では「仲」の字を使うことが多い。
- [初出の実例]「男、女のなかをもやはらげ」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
- [ 2 ]
- [ 一 ] 江戸の吉原、大坂の新町、両遊郭の称。
- [初出の実例]「そこへ嶋縮に鹿の子の帯、慥に中の風と見た」(出典:浄瑠璃・女殺油地獄(1721)上)
- [ 二 ] 神奈川県横浜市の行政区の一つ。横浜市の中心部にある。昭和二年(一九二七)成立。のち、同一八年南区を、同一九年西区を分離した。神奈川県庁・横浜市庁があり、横浜港の中心部に面する。
- [ 三 ] 愛知県名古屋市の行政区の一つ。名古屋市の中心部にある。明治四一年(一九〇八)成立。昭和一九年(一九四四)栄区を分離したが、翌年、再び栄区を統合した。愛知県庁・名古屋市役所があり、北端に名古屋城がある。
- [ 四 ] 広島市の行政区の一つ。昭和五五年(一九八〇)成立。市中南部、太田川河口の三角州にある。広島市の中心部。広島城・平和公園などがある。
- [ 五 ] 神奈川県の中南部の郡。花水川(金目川)の流域にあり、相模湾に面する。明治二九年(一八九六)大住・淘綾(ゆるき)の両郡が合併して成立。
- [ 六 ] 京都府北部、丹後半島の基部を占めた郡。平成一六年(二〇〇四)、京丹後市の成立で消滅。
中の補助注記
( [ 一 ][ 四 ]①について ) 平安朝まで、中旬の意で「中の十日」の言い方が行なわれたが、後世、これを中旬の一〇日目、すなわち、二〇日をいうと誤解し、それからの類推で、「中の三日(一三日)」「中の五日(一五日)」などの言い方が行なわれるようになった。
ちゅう【中】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① 物のまんなか。中央。また、二つのもののあいだ。あいだ。
- [初出の実例]「橋桁四五間中より折れて、落入る兵千余人、浮きぬ沈みぬ流れ行く」(出典:太平記(14C後)一四)
- [その他の文献]〔張衡‐東京賦〕
- ② 物のうちがわ。内部。なか。
- [初出の実例]「制、内外従五位已上自今以後、侍レ中供奉」(出典:続日本紀‐天平一三年(741)一〇月戊戌)
- [その他の文献]〔易経‐坤卦〕
- ③ ( 形動 ) 程度、度合が両極端のあいだであること。大きくもなく小さくもないこと、よくもわるくもないことなど。
- [初出の実例]「自今以後、諸国造レ倉率為二三等一、受二大肆阡斛、中参阡斛、小弍阡斛一」(出典:続日本紀‐和銅七年(714)四月壬午)
- 「是等は世帯(せたい)の事にて、中(チウ)より下の人のためにもなりぬ」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)三)
- [その他の文献]〔書経‐禹貢〕
- ④ どちらにもかたよっていないこと。考えや行動にかたよりのないこと。中庸。
- [初出の実例]「礼は不レ奢不レ倹して中を得るを好とす」(出典:応永本論語抄(1420)八佾第三)
- 「かたよらざるを中(チウ)といふ、馴粋(なじみ)てかわらざるを貴(たっとし)とす」(出典:洒落本・交代盤栄記(1754)跋)
- [その他の文献]〔書経‐大禹謨〕
- ⑤ 時間的経過の途中、中間をさす。
- (イ) 物事を行なっているあいだの時。なかほど。
- [初出の実例]「左衛門〈略〉すでに討たんとしたりしが、中(チウ)にて心をひきかへし」(出典:御伽草子・猿源氏草紙(室町末))
- (ロ) 物事が、ちょうど進行しているあいだの時。最中。
- [初出の実例]「いやお詞の中(チウ)ながら〈略〉そりゃ何事でござりまする」(出典:歌舞伎・茶臼山凱歌陣立(1880)四幕)
- ⑥ 両者のあいだにあって、なかだちや調整をすること。また、そのもの。
- (イ) とりなすこと。また、その人。
- [初出の実例]「このふみ、ちうにて、とめなさで、おくへとをひてに、へんじ申せと、よもふかの」(出典:説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)五)
- [その他の文献]〔春秋穀梁伝‐桓公九年〕
- (ロ) 両者のあいだで、利をむさぼること。また、なかだちの手数料など。
- [初出の実例]「仕着をして取らしょふと約束ばかりで参らぬ故、わたしが、ちうでも取ったかと毎日毎夜の使立て」(出典:浄瑠璃・心中二枚絵草紙(1706頃)中)
- ⑦ ( 形動 ) ぐあいの悪いこと。そぐわないこと。また、そのさま。
- [初出の実例]「先酒にはありついたが、何だか中(チウ)でどうもおかしからぬから」(出典:滑稽本・古今百馬鹿(1814)下)
- ⑧ 令制で、年齢による区分の一つ。養老令では一七歳以上二〇歳以下の男女を指す。男は中男(ちゅうなん)という。〔令義解(718)〕
- ⑨ 横笛の夕(しゃく)の次にある孔(あな)。
- [初出の実例]「干(かん)の穴は平調、五の穴は下無調なり。〈略〉中(ちう)の穴盤渉調、中と六とのあはひに神仙調あり」(出典:徒然草(1331頃)二一九)
- ⑩ 謡曲の階名の一つ。中音のこと。上音より低く、下音より高い音。
- [初出の実例]「中 げにや故郷は雲居のよそ」(出典:世阿彌筆本謡曲・盛久(1432頃))
- ⑪ 義太夫節の節章用語の一つ。上と下の中間の高さの音。
- ⑫ 天文関係の用語。天体の高度が最も高い所にあることをいう。最高度ということもある。
- ⑬ 「ちゅうぎり(中限)」の略。
- ⑭ 「ちゅうがっこう(中学校)」の略。
- ⑮ 「ちゅうごく(中国)」の略。
- ⑯ ⇒ちゅう(宙)
- [ 2 ] 〘 造語要素 〙 ( 体言に付いて )
- ① その中に含まれることを表わす。「空気中」「眼球中」など。
- ② その範囲内であること、また、その範囲全部であることを表わす。「今週中」「動物中」など。→じゅう。
- ③ ちょうどそれをしているときであること、その状態にあることを表わす。「授業中」「故障中」など。
- ④ ( 「…中の…」と、同じ名詞をくりかえす形で ) その中で最もそれに該当することを表わす。「天才中の天才」「悪妻中の悪妻」など。
- [初出の実例]「実に不審中(ふしんチウ)の不審じゃアないか」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉三)
中の補助注記
意味が「宙(ちゅう)」の意味と一致するものは、「中」の表記をとった例も、「ちゅう(宙)」の項で扱った。
じゅうヂュウ【中】
- 〘 造語要素 〙
- ① ある期間のなかのあるとき。体言に付くほか、連体詞「この」に付くこともある。
- [初出の実例]「客、よしはらへ来て、このぢう品川へ行たが」(出典:咄本・譚嚢(1777)探幽)
- ② その範囲のすべてにわたっていることを表わす。
- (イ) 場所の広がりをもつ語に付いて、その範囲一帯に、すべてにわたって。
- [初出の実例]「シモベ ドモ マイッテ goxogiǔ(ゴショヂュウ) ヲ サガシ タテマツレ ト マウシタレバ」(出典:天草本平家(1592)二)
- (ロ) 集合の元、集団の成員のすべて。「生徒中」など。
- [初出の実例]「きゃうだいぢゅうで、一番苦労したわ」(出典:雪国(1935‐47)〈川端康成〉)
- (ハ) 期間を示す語に付いて、その期間を通じて、ずっと。「一日中」「一年中」「冬中」など。
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普及版 字通
「中」の読み・字形・画数・意味
中
常用漢字 4画
[字音] チュウ
[字訓] なか・うち・あたる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
旗竿の形。卜文・金文には、上下に吹き流しを加えたものがあり、中軍の将を示す旗の形。〔説文〕一上に「而なり」、〔伝〕に「和なり」とするが、宋本に「なり」とするものがあり、而は(内)の誤字であろう。また字形について「口と(こん)とに從ふ。上下ずるなり」とするが、卜辞では中を中軍の意に用いる。「中に立(のぞ)まんか」とは、中軍の将たる元帥として、その軍に(のぞ)む意であろう。元帥とする者を謀る意であろうと思われる。すべて中央にあって中心となり、内外上下を統べ、中正妥当をうることをいう。〔説文〕に収める字形はすべて(さい)に従うが、それは(史)・事の従うところで、旗竿の象ではない。旗竿には偃游(えんゆう)(吹き流し)のほかに、旗印をつけた。
[訓義]
1. なか、中央、三軍の元帥のいる中軍。
2. なかほど、なかがわ、うち。
3. こころ、からだ、はらわた。
4. たいらか、ただしい、ひとしい。
5. 投壺の算を入れる器。
6. あたる、的中する、あう。
7. なる、成功する、及第する。
8. あいだ、へだてる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕中 ウチ・ナカ・アタル・ヤブル・ナカコ・ナカゴロ・アツ・アヒダ・ソコナフ・タガヒニ・アフ・ナカバ・トホス・トホル・ヘダツ/就中 ナカニツイテ・ナカムヅクニ
[声系]
〔説文〕に中声として・仲・衷・忠・・沖など七字を収める。(ちゆう)は〔老子、四〕「は沖にして之れを用ふ」の〔傅奕(ふえき)本〕に、沖をに作る。中声には、なか、うち、みつるなどの義をもつものが多い。
[語系]
中・衷tium、仲diumは声近く、仲は主として親族称謂として用いる。督・tukも声近く、督は督脈、一身の中央にあるもの、(とく)は衣の背筋の縫目。衣の中縫をまた督縫(とくほう)という。
[熟語]
中阿▶・中衣▶・中意▶・中▶・中飲▶・中隠▶・中衛▶・中▶・中央▶・中河▶・中夏▶・中家▶・中華▶・中懐▶・中外▶・中額▶・中浣▶・中間▶・中澣▶・中饋▶・中気▶・中逵▶・中畿▶・中宮▶・中虚▶・中区▶・中矩▶・中空▶・中裙▶・中軍▶・中経▶・中閨▶・中堅▶・中元▶・中原▶・中戸▶・中▶・中行▶・中谷▶・中国▶・中壼▶・中坐▶・中才▶・中歳▶・中斎▶・中材▶・中産▶・中▶・中使▶・中子▶・中止▶・中旨▶・中試▶・中時▶・中軸▶・中実▶・中酒▶・中寿▶・中州▶・中洲▶・中秋▶・中宿▶・中春▶・中旬▶・中書▶・中暑▶・中症▶・中宵▶・中霄▶・中殤▶・中傷▶・中城▶・中情▶・中心▶・中夕▶・中昔▶・中絶▶・中宗▶・中倉▶・中蔵▶・中第▶・中単▶・中断▶・中知▶・中智▶・中腸▶・中朝▶・中直▶・中庭▶・中弟▶・中廷▶・中適▶・中天▶・中途▶・中土▶・中帑▶・中道▶・中毒▶・中頓▶・中熱▶・中廃▶・中半▶・中飯▶・中婢▶・中微▶・中表▶・中品▶・中府▶・中婦▶・中傅▶・中風▶・中伏▶・中腹▶・中分▶・中保▶・中鋒▶・中民▶・中冥▶・中夜▶・中野▶・中庸▶・中立▶・中流▶・中霤▶・中林▶・中路▶・中和▶
[下接語]
意中・雲中・億中・火中・渦中・画中・懐中・寒中・環中・眼中・巌中・忌中・客中・宮中・居中・胸中・禁中・区中・空中・軍中・最中・侍中・執中・術中・暑中・掌中・城中・心中・人中・折中・喪中・卒中・的中・土中・道中・日中・南中・熱中・腹中・房中・夢中・命中・連中
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中[区]【なか】
神奈川県横浜市中東部の一区。1927年区制。東京湾に臨んで横浜港の中心部があり,県庁,市役所,会社,銀行が集中(関内地区)して市の中核をなす。根岸線,横浜高速鉄道みなとみらい線,京浜急行本線,市営地下鉄,首都高速道路が通じる。桜木町,本牧(ほんもく),元町などの地区を含み,本牧埠頭と鶴見区の大黒埠頭との間に,1989年横浜ベイブリッジが開通した。山下公園,伊勢佐木町,中華街,港の見える丘公園,外人墓地,三渓園,赤レンガパークがある。東京湾岸の埋立地は,本牧などの埠頭や金属,輸送用機器,石油工業などの工業地区となっている。21.20km2。14万6033人(2010)。
中[区]【なか】
堺市中央部を占める区。区北部に大阪府立大がある。2006年4月,堺市が政令指定都市となり,堺区,東区,西区,南区,北区,美原区とともに設置。泉北高速鉄道,阪和自動車道,国道310号線が通じる。17.88km2。12万3532人(2010)。
中[区]【なか】
岡山市中央部を占める区。2009年4月,岡山市が政令指定都市となり,北区,東区,南区とともに区設置。旭川の東側に位置し,国道2号線,250号線,山陽新幹線,山陽本線が通じる。南端を児島湾に面し,小豆島への航路が発着する新岡山港がある。中心部に面した旭川沿いには,多くの学校が点在する。51.25km2。14万2237人(2010)。
中[区]【なか】
愛知県名古屋市中心部の区。北部に名古屋城があり,その郭内に県庁,市役所など官庁が集中。第2次大戦後,中部の旧矢場町を交点として,東西方向の若宮大通,南北方向の久屋大通の100m道路が建設された。中部の栄町付近は地下鉄東山線と名城線の交点にあたり,デパート,銀行,商店が立ち並び,都心をなす。桜通りは問屋街,広小路通りには銀行,オフィスが集まる。白川公園,大須の真福寺がある。東境に中央本線,北部に名鉄瀬戸線,また区内には地下鉄各線が縦横に通じる。9.38km2。7万8353人(2010)。
中[区]【なか】
広島県広島市の南中央部の区。太田川河口のデルタ地帯に位置し,旧広島城下の大半を占める。戦後,爆心地の中島地区を整備した平和記念公園を中心に東西に幅100mの平和大通りを建設,旧軍用地を中央公園と官公庁地区に転用,その南側は業務中心地区とし,紙屋町・八丁堀から袋町・大手町へ続く電車通りのビル街となった。また,城跡西側に基町(もとまち)高層住宅群,南部の舟入・吉島地区には中小企業と住宅が混在し,南端の江波地区には三菱重工業江波製作所,江波山気象館などがある。原爆ドーム(史跡,世界遺産)や原爆死没者慰霊碑,縮景園(名勝),広島城跡(史跡)がある。15.32km2。13万482人(2010)。
中[町]【なか】
兵庫県中部,多可郡の旧町。加古川の支流杉原川中流域を占め,中心は中村町。西脇市とともに播州織物工業地。酒造米の産地としても有名。食料品,精密機械などの企業も進出している。2005年11月,多可郡加美町,八千代町と合併し町制,多可郡多可町となる。48.02km2。1万1783人(2003)。
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中 (ちゅう)
zhōng
儒教哲学の中心概念の一つ。《書経》には政治の要諦としてしばしば説かれている。中庸と同じ意味に用いられることもあるが,ふつう,中庸は徳の名,中はそれを根拠づける形而上的な道の名として区別せられる。それは《中庸》の〈未発の中〉(現象世界に発現する以前の中)の説,またそれを極度に重視する朱子学の説によるのである。朱子はそれを聖人から聖人へと伝えられた〈まことに其の中を執れ〉という教えと結びつけた。つまり〈道統〉の説と結びつけた。中は要するに〈まんなか〉であり,過ぎたると及ばざるとの無きこと,偏らざること,と解釈されているが,しかしそれは決して固定的・消極的なものでなく,計器の針が揺れの末にしかるべき点に落ち着く,そのような点が中である。朱子はそれを〈恰も好き処〉といった。朱子学では中には〈在中〉と〈時中〉の2種が区別せられる。在中(中に在ること)は未発の中で偏らぬという訓詁が当たり,時中は已発における中,つまり実践においてその時その時の行為が中を得ていること(中庸の徳)で,過不及なしという訓詁がそれに当たる。
執筆者:島田 虔次
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
中
なか
兵庫県中南部、多可郡(たかぐん)にあった旧町名(中町(ちょう))。現在は多可町の南東部を占める一地区。1924年(大正13)中村が町制施行。2005年(平成17)中町は加美(かみ)、八千代(やちよ)2町と合併して多可町となる。国道427号が通じる。古くから郡の行政中心地。中央を流れる杉原(すぎはら)川沿いは比較的平坦(へいたん)な河谷盆地となり、酒米の産地で、山田錦(にしき)発祥の地として知られる。杉原川の水を利用した播州織(ばんしゅうおり)が基幹産業で、旧町域の就業人口の75%が繊維産業に従事し、南方の西脇(にしわき)市に次ぐ織物の町である。北部の妙見山(みょうけんさん)(692メートル)山麓(さんろく)は古墳が多く、また北播磨余暇村公園や牧野大池キャンプ場がある。西部に1991年(平成3)完成した糀屋ダム(こうじやだむ)と翠明湖がある。なお、農村歌舞伎(かぶき)の「播州歌舞伎」がいまも受け継がれている。
[二木敏篤]
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中
なか
兵庫県中部,多可町東部の旧町域。加古川の支流杉原川中流域にある。 1924年町制。 2005年加美町,八千代町と合体して多可町となった。中心集落の中村は播磨から京へ通じる街道の要地で中村郷と呼ばれた。西脇市に近いため,同市とともに播州先染織の中心的産地として知られる。周辺の山地は古墳の多いことで有名。
中
なか
(1) 義太夫節浄瑠璃一段のうち,口 (くち) よりも事件がやや複雑になる部分。特に特徴的な「中」には呼称のついている場合がある。『義経千本桜』2段目の「渡海屋・大物浦」の場における「中」は「幽霊」,4段目の「川連法眼館」の「中」は「八幡山崎」などと呼ぶ。 (2) 義太夫節の節章の一つ。「ちゅう」ともいう。太夫の声の出し方は中・ウ・ハルに大別されるが,「中」は落ち着いた相対的に低い音をさす。一または二の音といわれる。
中
ちゅう
Zhong
儒教の徳目の一つ。中正は古来からの徳目であるが,これを哲学的に深化して心の「中」の状態にまで内面化したのが『中庸』である。宋の朱子は「中」を「理」によって解釈して『中庸章句』をつくった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の中の言及
【義太夫節】より
…竹豊両座の退転と再興から,宮地芝居へ興行の場は移った。そして[近松半二],[菅専助]らがわずかに新作を書くにとどまって,旧作のくりかえし上演が中心となる。しかし,これらの旧作は名人上手のくふうの積みかさねで磨きあげられた。…
【キリ(切)】より
…謡事の一種。七五調韻文体の7~11句から成る,中音域を主とした旋律のすくない楽曲。初句と終句は繰り返されるのが普通。…
※「中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」