一定の方向に分化・成熟した組織が,その潜有能の幅の中で,他の成熟組織型をとること。刺激に対する組織の適応現象の一つで,刺激によって変性に陥った細胞が,組織修復の再生の際に,本来の分化の方向ではなくて,別の分化の方向にかわることをいう。通常はより安定した分化型にかわる。腺上皮からなる気道上皮が,タバコの煙の刺激をうけて重層扁平上皮にかわったり,肺繊維症のときに肺胞の扁平な上皮が立方上皮にかわったり(腺様化生),慢性胃炎のため固有胃粘膜上皮が小腸上皮にかわったりする(腸上皮化生)。上皮の化生は可逆的のものが多く,原因がなくなれば元来の上皮型にもどる。しかし,胃の腸上皮化生は不可逆的変化である。また化生は,同一胚葉組織の中でかわるだけで,上皮と結合組織の間には化生現象はおこらない。結合組織で,瘢痕(はんこん)性の繊維組織に,骨や軟骨が生じたりすることも結合組織の化生である。
執筆者:山口 和克
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…眼球から網膜を取り除くと,色素上皮が増殖し網膜を形成する。このように水晶体や網膜はまったく異なった組織から再生してくるため,通常の再生現象と区別し化生metaplasiaと呼んでいる。虹彩からの水晶体再生は発生初期のニワトリ胚でも起こることが確認されているが,哺乳類では水晶体の再生は起こらない。…
※「化生」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新