南海トラフ(読み)ナンカイトラフ

デジタル大辞泉 「南海トラフ」の意味・読み・例文・類語

なんかい‐トラフ【南海トラフ】

駿河するがトラフに続き、日本列島に沿って日向灘ひゅうがなだ沖まで延びる細長い凹地トラフ)。水深4000~4800メートル。フィリピン海プレートの沈み込み帯にあたる。西南日本海溝南海舟状海盆

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「南海トラフ」の意味・読み・例文・類語

なんかい‐トラフ【南海トラフ】

  1. ( トラフは[英語] trough ) 西南日本太平洋側にある細長い海盆。駿河湾から、紀伊半島四国沖につづき、九州パラオ海嶺で南西諸島海溝と境される。西南日本海溝あるいは南海舟状海盆などとよばれるが、他の海溝にくらべて水深は四八〇〇メートル以下で浅い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「南海トラフ」の意味・わかりやすい解説

南海トラフ【なんかいトラフ】

南海舟状海盆とも。紀伊半島から四国にかけての南方沖合にある細長い海底の凹地。フィリピン海プレートが日本列島(ユーラシアプレート)に沈み込んでいる場所と考えられているが,他のプレート収斂(れん)境界に比べて水深が浅く4000mほどしかない。陸側の斜面には付加体が形成されている。数百年に1回の割合で起こっている南海地震(最新は1946年)と呼ばれる巨大地震震源域である。2011年3月の東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖大地震が三陸沖を中心に幅200km長さ500kmに及ぶ広範な震源域で起こったことから,東海地震と連動する東南海地震も懸念されている。
→関連項目東南海地震メタン・ハイドレート

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

知恵蔵mini 「南海トラフ」の解説

南海トラフ

日本の四国、南方海底に、静岡から九州近辺まで伸びている深い溝(トラフ)の名称地球の地盤同士が海底でぶつかりあい、長年の間に歪みとなって、4000メートル級の非常に深い溝となっている。大変に活発で大規模な活断層であり、東海地震、東南海地震、南海地震など、マグニチュード8クラスの巨大地震が約100年から200年ごとに発生している。また、南海トラフから琉球海溝までの約1000キロメートルに及ぶ断層が連動して破壊されると、マグニチュード9クラスの超巨大地震が発生する可能性がある。2012年8月、国の二つの有識者会議は、この場合、死傷者は最大で32万3000人になると発表した。

(2012-09-03)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の南海トラフの言及

【混濁流】より

…最近の実験では混濁流は(1)頭部,(2)頭部背後の渦列部,(3)腹部,(4)内部波を伴う尾部,(5)渦の拡散部の五つの部分に大別できることがわかっている。 日本でも四国沖の南海トラフ底などでは富士川からの土砂が駿河湾を通って延々と800kmも混濁流として運搬されて来ていることが最近の研究によってわかっている。【藤岡 換太郎】。…

【トラフ】より

…形態で定義されており,規模,成因はさまざまである。プレート沈み込み帯であるが,地形的にはトラフとされているもの(南海トラフ,駿河トラフ,相模トラフ),海溝が埋められて浅くなっているもの(ヒクランギ・トラフHikurangi trough),島弧背後にあって現在拡大しつつある縁海(マリアナ・トラフ,沖縄トラフ),大陸境界地内にある細長い海盆(最上トラフ)などがある。フィリピンプレート北縁部の沈み込み帯にあたる南海,駿河,相模の諸トラフは,東海地震予知に関連して有名である。…

※「南海トラフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android