(読み)ボク

デジタル大辞泉 「卜」の意味・読み・例文・類語

ぼく【卜】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ボク(慣) [訓]うらなう
かめの甲を用いて吉凶を判断すること。一般に、うらない。うらなう。「卜辞卜占亀卜きぼく筮卜ぜいぼく売卜
選び定める。「卜居卜宅
難読卜部うらべ

ぼく【×卜】

亀甲獣骨を焼いて生じるひびの形により事の吉凶をうらなうこと。また一般に、うらなうこと。うらない。

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精選版 日本国語大辞典 「卜」の意味・読み・例文・類語

ぼく【卜】

  1. 〘 名詞 〙 亀の甲や獣骨を焼いて生じるひび割れの形によって、将来の吉凶を判断すること。占って物事を選び定めること。占い
    1. [初出の実例]「亀の卜と易の卜との浅深を論じ給ひけり」(出典:保元物語(1220頃か)下)
    2. [その他の文献]〔書経‐盤庚下〕

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普及版 字通 「卜」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 2画

[字音] ボク
[字訓] うらなう・うらかた

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
獣骨や亀版を(や)いて、そのひびわれによって吉凶を卜うことをいう。卜はそのひびわれの形。〔説文三下に「龜をいて剝ぐなり。龜を灸(や)くの形に象る。一に曰く、龜兆の從なるに象るなり」という。卜するとき、まず縦長に鑽(さん)とよばれる穴を掘り、横に円形の穴を作って、その部分をくと、鑽の部分には縦、いた部分には横に走る線が、その表面にあらわれる。その横の線が卜兆、縦横合わせて卜の形となる。殷虚小屯出土の大版には、百鑽前後にも卜迹を存するものがある。わが国の対馬に伝えられている古法については、伴信友の〔正卜考〕に詳しい記述がある。卜の音は、卜兆を生ずるとき、破裂する音をとるものであろう。

[訓義]
1. うらなう。
2. うらかた、しめす。
3. えらぶ、卜してえらぶ。

[古辞書の訓]
名義抄〕卜 ウラナフ・シム 〔立〕卜 シメス・シム・ウラナフ

[部首]
〔説文〕に卦・(けい)・貞・(かい)・占・(ちよう)など七字を属し、〔玉〕は別に兆部を立ててをその部に移している。貞はもと鼎に従う字で、わが国の探湯(くかたち)のように、鼎によって卜するものであった。卜辞では卜うことを「貞(と)ふ」といい、古く探湯の法があったことが知られる。合わせて貞卜という。

[声系]
〔説文〕に卜声として赴・・攴・朴・仆の五字を収める。攴・朴はものをうつ音、他は走り頓(つまず)く音である。

[語系]
卜pok、仆phiokは声近く、音に緩急がある。仆は(覆)phiuk、bkと近く、つまずいてたおれる音で、同じ系列の語である。

[熟語]
卜揆卜亀・卜居卜稽卜工・卜卜巧・卜歳・卜妻卜肆・卜師・卜辞・卜室・卜日・卜者卜祝・卜人・卜正卜筮・卜占卜銭・卜宅卜択・卜地・卜年卜鳳・卜名・卜問卜隣卜老
[下接語]
易卜・観卜・亀卜・吉卜・献卜・虎卜・筮卜・占卜・貞卜・売卜・枚卜・穆卜・夢卜

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