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口寄せ くちよせ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

口寄せ
くちよせ

民間信仰の一つ。神霊,生霊,死霊の心を巫女など霊媒の口を通して聞くこと。青森県の下北半島イタコ口寄せは,親族の死者の言葉を子孫たちに伝えるものとして知られる。民俗学・人類学でいうシャーマニズムの一例であり,現世と他界とのコミュニケーションの一形態といえる。

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デジタル大辞泉の解説

くち‐よせ【口寄せ】

[名](スル)生者または死者の霊や神霊を呼び寄せ、その意思を言葉で語ること。また、それをする人。東北地方のいたこ、奄美(あまみ)・沖縄のゆたなど。

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百科事典マイペディアの解説

口寄せ【くちよせ】

巫女(みこ)が霊の憑依(ひょうい)をうけた形で発する言葉,それを行う宗教者。死霊の言葉を巫女の口を通じて伝える死口(しにくち),生霊を寄せる生口(いきくち),吉凶を示す神口など。
→関連項目神託遊女ゆた

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世界大百科事典 第2版の解説

くちよせ【口寄せ】

シャーマン(巫者)が超越霊の憑依(ひようい)をうけて自我喪失の形で発する言葉,またはそうした呪儀を行う宗教職能者をさす。日本のシャーマンは,神社に所属する巫女(みこ)のように神楽や湯立てに奉仕するうちに祭神の憑依(神がかり)によって神託を述べる神社巫女と,民間にあって神仏の憑霊によるかあるいは死霊(ホトケ)の憑依をうけ,その意向を宣告する口寄せ巫女の2種に類別される。かつては前者の活躍がめだったが,神道教説の体系化にともない神社祭祀から巫祝的要素を排除する傾向がたかまるにつれ,神社巫女の形骸化がすすみ,託宣の機能は消滅した。

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大辞林 第三版の解説

くちよせ【口寄せ】

( 名 ) スル
巫女みこが霊魂を招き寄せ、その思いを自分の口を通して他の人に伝えること。また、それをする巫女。招き寄せる霊の違いにより生き口・死に口・神口かみくちの別がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

口寄せ
くちよせ

巫女(みこ)が、人々の求めに応じて神霊の尸童(よりまし)となって神意をことばで伝えること。あるいはこの行為を行う巫女のこと。生霊を寄せるのを生口(いきくち)、死霊を呼び出すものを死口(しにくち)、吉凶禍福を判断し、示すものを神口(かみくち)といい、鼓・琴・弓あるいは数珠(じゅず)などを手にして、音を鳴らしながら神霊の降霊を待つ。生口、死口、神口によって多少の変化はあるが、問口(といくち)といって、依頼者が問いかけ、それに対して口寄せさせて答えるものと、一人称で語りかけるものとがある。
 口寄せをする者を東北地方ではイタコ、オカミン、関東地方では梓(あずさ)ミコ、南西諸島ではユタ、カンカカリヤーなどとよんでいる。イタコのイタもユタと同じく、「言う」という行為を意味することばで、口寄せの行動を表すものである。東北地方では盲目の女性が多いが、一般には盲目とは限らない。一定の修行をし、神憑(つ)けが行われ、特定の神仏を守護神としてもっている者と、突然神がかり状態になって憑霊(ひょうれい)する者とがいる。東北地方では春秋の彼岸、盆などに口寄せを行って、死者を祀(まつ)ることが多いが、沖縄のユタなどは、日を定めず依頼することが多い。口寄せとはいわないが、神口と同じ行為が各地の神社祭儀にみられることは、憑霊現象として注意してゆかねばならぬ問題である。たとえば福島市松川町の羽山神の神託などはその一例である。本来は日を定めて神意を伺うことが必要であり、口寄せはその一形態といえよう。[鎌田久子]

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