国定忠次(読み)くにさだちゅうじ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国定忠次
くにさだちゅうじ

[生]文化7(1810)
[没]嘉永3(1850)
江戸時代後期の博徒。忠治とも書く。本名長岡忠次郎。上州 (上野国) 赤城山を中心に縄張りをもち,のち関所破りで追われ,捕えられて刑死。「侠客物」として真山青果戯曲に,また講談などでも代表的博徒にもち上げられた。

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デジタル大辞泉の解説

くにさだ‐ちゅうじ【国定忠次】

[1810~1851]江戸末期の侠客。上野(こうずけ)の国定村の人。本名、長岡忠次郎。賭場(とば)荒らし・関所破りなどの罪で磔(はりつけ)の刑に処せられた。後世、講談・浪曲・芝居などに脚色。国定忠治
(国定忠治)子母沢寛の長編歴史小説。昭和7年(1932)から昭和8年(1933)にかけて東京日日新聞に連載。著者による股旅(またたび)物の代表的作品。

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百科事典マイペディアの解説

国定忠次【くにさだちゅうじ】

江戸末期の侠客。上野(こうずけ)国国定村の富農長岡与五左衛門の子として生まれた。本名は忠次郎。若くから遊侠の徒に交わり,21歳のとき縄張りを譲られ,博徒の親分となった。1834年縄張り争いから子分の文蔵に加勢して,佐位(さい)郡島村の博徒伊三郎を殺害,1842年賭場開帳の最中に関取締出役の急襲を受け,かろうじて脱出したが,子分の浅次郎に取締出役の手先勘助とその子太郎吉を殺させた。以後取締出役の厳しい追及を受け,信州への脱出を企てて吾妻(あがつま)郡大戸(おおど)の関所を破り,潜伏した。のち故郷に戻ったが,1850年脳溢血(のういっけつ)で倒れてまもなく取締出役に召し捕られ,大戸関所に送られて磔刑となった。没後《嘉永水滸伝(かえいすいこでん)》《国定忠治実伝》《正本国定忠次侠勇伝》などの実録本や歌舞伎《上州織侠客大縞(じょうしゅうおりたてしのおおしま)》,新国劇《国定忠治》などによって義賊・侠客として英雄化された。
→関連項目博徒

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

国定忠次 くにさだ-ちゅうじ

1810-1851* 江戸時代後期の侠客(きょうかく)。
文化7年生まれ。生家は上野(こうずけ)(群馬県)佐位郡国定村の富農。博徒の親分となり,島村の伊三郎殺しをはじめ,殺傷,賭博(とばく),関所破りなどをかさねて捕らえられ,嘉永(かえい)3年12月21日磔(はりつけ)になる。41歳。のち芝居,講談などにとりあげられ,民衆の英雄像に脚色されていった。本名は長岡忠次郎。通称は忠治ともかく。

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世界大百科事典 第2版の解説

くにさだちゅうじ【国定忠次】

1810‐50(文化7‐嘉永3)
江戸後期の博徒。忠次(治)郎ともいう。上野国佐位郡国定村の出身。中農以上に属する長岡与五左衛門の長男。21歳のとき博徒の縄張を譲られて以来博徒の親分となり,1834年(天保5)縄張争いから同じ博徒の島村の伊三郎を殺害し,有名となる。42年賭場の最中に関東取締出役の急襲をうけ,かろうじて脱出したが,子分浅次郎(俗に板割の浅太郎)が密告したのではないかと疑い,浅次郎に彼の伯父で出役の手先である道案内役の勘助とその子太郎吉を殺させた。

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精選版 日本国語大辞典の解説

くにさだ‐ちゅうじ【国定忠次】

江戸末期の博徒。本名長岡忠次郎。上野国国定村(群馬県伊勢崎市)の人。義理、人情侠気に富む人物として、実録物、講談、戯曲などに取り上げられた。嘉永三年(一八五〇)磔(はりつけ)にされた。国定忠治。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典の解説

国定忠次
くにさだちゅうじ

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
明治38.5(東京・宮戸座)

国定忠次
(通称)
くにさだちゅうじ

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
上州織侠客大縞
初演
明治17.7(東京・市村座)

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世界大百科事典内の国定忠次の言及

【東[村]】より

…1970年ころから人口が増加している。北部の国定は幕末の俠客国定忠次の出身地。【千葉 立也】。…

【忠次旅日記】より

…〈第三部御用篇〉は,伊藤大輔が唐沢弘光カメラマンと組み,〈移動大好き〉と呼ばれて時代劇のスタイルに新風を吹き込むことになる名コンビの第1作である。 上州の博徒国定忠次(大河内伝次郎)が,役人に追われて流浪し,周囲の人間に裏切られ,落ちていく悲劇を描く。その底に流れているのは権力に対する反抗の思想で,忠次が命をかけてたたかう相手は御用ちょうちんに象徴される権力である。…

※「国定忠次」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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