国際民事訴訟法(読み)こくさいみんじそしょうほう

百科事典マイペディア「国際民事訴訟法」の解説

国際民事訴訟法【こくさいみんじそしょうほう】

国際私法一環で,民事訴訟における国際的な事項の取扱いについての法規。特別の法典はなく,民事訴訟法条約による。非訟事件や,商事仲裁調停国際倒産などを含める意味で国際民事手続法ともいう。国際裁判管轄,外国人や外国法人の訴訟能力,裁判での通訳文書の翻訳,国際司法共助司法共助を参照)に基づく外国での証拠調べ,外国訴訟と内国訴訟との競合外国判決効力などに関する規定がその主な内容をなす。国際私法上,手続問題については一括的に〈手続は法廷地法による〉とされているので,日本における国際民事訴訟の手続は,原則的に日本の国際民事手続法が適用されることになるが,明文規定を欠くところも多く,判例学説に委ねてきた部分が大きい。1996年に民事訴訟法が全面的に改正された際にも,当初数多く提案されていた国際民事手続関係の規定が結局はほとんど削除され,今後の立法課題として残された。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「国際民事訴訟法」の解説

国際民事訴訟法
こくさいみんじそしょうほう

民事訴訟法のなかで,特に渉外事件について問題となるルールを総称するものであって,特別の法典があるわけではない。実体問題と手続問題とが区別され,前者については契約や離婚といった個々の法律関係ごとに分けて準拠法が定められるが,後者については法廷地法によるという不文の国際私法規範があるとされる。したがって,国際民事訴訟法は国内法である。民事訴訟法上,明文の規定のあるものとないものとがあり,送達など一部については,日本が締約国となっている条約も存在する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版「国際民事訴訟法」の解説

こくさいみんじそしょうほう【国際民事訴訟法 internationales Zivilprozessrecht[ドイツ]】

国際間の交流が頻繁に行われるに伴い,A国人とB国人の離婚がC国の裁判所で問題になったり,A国の貿易商がB国の取引先トラブルを起こし,訴訟や仲裁の問題に発展したりすることが増えてくる。民事事件がこのように複数の国にかかわりを持つ場合,裁判所がどこの国の法律によって裁判するのかというと,紛争中身――人の権利義務――については,これが国ごとにまちまちにならぬよう古くから国際私法が発達した。その結果C国裁判所がA国法によって裁判しなければならないこともある。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内の国際民事訴訟法の言及

【国際私法】より

… 以上のうち,(1)と(3)はいわゆる手続法に関係し,(4)や(5)はむしろ政治的公法的な性質をももっている。そのため,日本やドイツでは(1)と(3)は国際民事訴訟法として独立させ,手続法と関連の深い親族・相続の分野では管轄や承認も扱うが,原則としては準拠法の問題だけを国際私法の課題とする。英米法系の諸国では(1)から(3)までを統合的に教授研究するならわしであるが,フランスをはじめフランス法系の諸国では上記(1)から(5)までのすべてが国際私法の範囲となっている。…

※「国際民事訴訟法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

NATO

北大西洋条約機構North Atlantic Treaty Organizationの略称。冷戦が激化した1949年に調印された北大西洋条約に基づき設立された自由陣営最大の国際軍事機構。加盟国中の一国...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android