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土石流 どせきりゅう debris flow

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

土石流
どせきりゅう
debris flow

傾斜の大きな谷筋の川に多量の土砂が供給されると,土砂と水が混じり合って混然一体となり,激しい勢いで下流に向けて流れる現象。土石流内の水の割合は 10~60%といわれる。地震や集中豪雨の際の山崩れ地すべりが原因になる。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

土石流

山腹や川底の石、土砂が水と一体となって一気に下流に押し流される現象。台風や大雨、地震が引き金となって起こる。時速20~40キロ程度に達する。予兆として「山鳴りがする」「急に川の水が濁り、流木がまざり始める」「雨が続くのに川の水位が下がる」などが挙げられる。九州は豪雨が多発するうえ、火山灰が堆積(たいせき)するなどしたもろい地盤の所が各地にあり、幾度となく土砂災害が起きている。

(2013-10-28 朝日新聞 朝刊 2社会)

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デジタル大辞泉の解説

どせき‐りゅう〔‐リウ〕【土石流】

長雨や豪雨によって水を含んだ粘土や岩片が、突然一気に山の斜面を流れ下る現象。

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百科事典マイペディアの解説

土石流【どせきりゅう】

谷底や谷壁斜面に堆積していた大量の土砂や礫(れき)が,集中豪雨時などに水を含み混然となって一挙に谷や斜面を流下する現象。地震による山体崩壊火山噴火などにともなって発生することもある。
→関連項目岩塊流泥流山崩れ

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岩石学辞典の解説

土石流

岩屑流

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世界大百科事典 第2版の解説

どせきりゅう【土石流 debris flow】

谷の源流部や上流部で,谷底や谷壁斜面に堆積していた大量の岩屑(がんせつ)が,水を含んでそれと混然一体となって一挙に谷や斜面を流下する現象。マス・ムーブメントの一種で,その中では最も含水比が高く,流速の大きなものの一つである。土石流中の水は川の水のように土石を流送する媒体として働いているわけではなく,土砂を含んで密度を増して岩塊を浮きやすくし,堆積物のすき間を埋め,重力によって流下する岩屑のいわば潤滑剤としての役割を果たしている。

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大辞林 第三版の解説

どせきりゅう【土石流】

土や石が雨水などと一体となって、渓流や斜面を一気に流れ下る現象。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

土石流
どせきりゅう

急勾配(きゅうこうばい)の渓流に発生する土砂や石礫(せきれき)と水とが混合して一体となった流れ。流水の作用によって砂礫を輸送するものとは性質がかなり異なる。多量の土石が急激に流下し、強大な破壊力をもつため、家屋の全壊や人命の犠牲を伴うことが多い。日本では豪雨時に毎年どこかで発生しており、社会的にも注目されている。土石流には巨石や砂礫を多く含むものから、泥流を主体とするものまで各種の形態があり、それぞれ流れの特徴を異にする。巨石や砂礫を多く含む土石流は一般に先端部に巨礫や石礫が集まって段波状を呈し、高濃度の土砂流や泥流が後続流として続く。先端部の巨礫による衝撃力は大きな破壊力をもっている。泥流を主体とする土石流では先端部にはかならずしも石礫を有しないが、段波状を呈することが多い。土石流の到達前の流水量は普通非常に少なく、土石流は津波のように押し寄せるので山津波ともいわれる。
 土石流の発生は、勾配が15~30度くらいの渓床に存在する堆積(たいせき)物に、豪雨などにより多量の水が供給されて表面流が生じ堆積物が安定性を失うことによるが、崩壊した土砂礫が引き続いて土石流に発展する場合もある。土石流の発生には短時間の強雨が関係する。土石流は勾配が10度程度以下になると減速、堆積過程に入り、石礫は勾配が10~3度程度の所で停止するが、この付近が土石流による被害が集中する場所である。後続流(土砂流)はさらに流下して堆積し、これまた災害の原因となる。微細土砂を多く含む泥流は、第三紀(新・古)層の地域や活火山地帯に多く発生し、流動性が高く流下速度が速い。土石流の堆積物は大粒径から小粒径まで混合して層状を呈しないのに対して、流水の作用によって輸送される土砂の堆積物では層状を呈するため区別しやすい。実際の土石流では一般に高濃度の土砂流を伴い、両者相まって災害の原因となっている。
 土石流対策として、従来から用いられてきた砂防ダムのほかに、平時の小出水による砂礫は通下させ、土石流による土砂だけを止めるスリットや格子形式の透過型ダムが環境保全と土石流をくいとめる容量の維持という利点から増加している。泥流などに対しては流路工(護岸・床固めなどの工事)や導流工(土石流を安全に流下させて海など安全な場所まで導く渓流保全工事や導流堤など)も有効である。土石流の危険区域は数多く、このような直接的な方法のみでは対応できず、危険区域の予測、発生の予知などに基づく避難予警報も重要であって、国土交通省や地方自治体を中心としてそれらの努力が払われている。[芦田和男・水山高久]
『芦田和男著『河川の土砂災害と対策――流砂・土石流・ダム堆砂・河床変動』(1983・森北出版) ▽大浦ふみ子著『土石流』(1994・光陽出版社) ▽池谷浩著『土石流災害』(岩波新書)』

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世界大百科事典内の土石流の言及

【マス・ムーブメント】より


[急速な流動]
 火山灰や砂,粘土など細粒の堆積物やそれらを多く含んだ岩屑層に,降雨,融雪,地下水の湧出,火山活動などで急に多量の水が加わると,速度の大きな斜面物質の流動が起こる。物質の性質と含水量の多少によって土砂流earth flow,泥流mud flow,土石流,岩屑なだれdebris avalancheに分けられる。いずれもその発生は一時的かつ偏在的である。…

【火山泥流】より

…泥流という語は日本語,英語ともに泥という字が誤解を与えやすいのでラハールとして一括した方がよいという意見もある。日本の火山斜面で,崩壊物や谷の堆積物が急速に流下し,先端部に巨礫が集中し,衝撃力の大きな特有な流れ方をするとき土石流という。これは山麓に大きな災害をもたらす。…

【地震】より

…日本やハワイ諸島は,この地震や1868年と1877年のペルー・チリ国境沖の地震などによる津波で大きな被害をこうむっている。1970年のペルーの地震(M7.6)は氷河なだれに端を発した土石流による大災害が発生し,7万に近い死者が出た。
[南太平洋の地震]
 ニュージーランドからケルマデク,トンガ,ニューヘブリデス,サンタ・クルーズ,ソロモンの各諸島を経てニューギニアに至る地帯は,太平洋プレートとインドプレートの境界に当たり,島弧型の地震活動が活発で,M8.0程度以下の地震の発生数はかなり多い。…

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