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境相論 さかいそうろん

世界大百科事典 第2版の解説

さかいそうろん【境相論】

堺相論とも書く。中世の成立期から顕著になり,近世初頭まで繰り返された所領などの境界をめぐる紛争。中世成立期,とくに11,12世紀になると,山野河海の開発,荒廃田畠の再開発などが活発化し,荘,保,別符,名などの多くの中世的所領が,内部に中世的な〈村〉を生み出しながら成立してきた。このような所領の増大・展開は,人口の増大と相まって山野河海の用益を入り組んだものとし,また田畠の所有をめぐる争いを次々に惹起した。

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世界大百科事典内の境相論の言及

【実検】より

…また戦功の上申で負傷の申立てがあったとき,使節を派して確認すること(疵実検)。(3)鎌倉幕府で境相論=境界争いの訴訟があったとき,裁判所側から使節を派遣して実情を調査すること。これは証拠調べであり,一般には証拠は当事者の提出によるが,境相論に限って裁判所側が職権で実検を行う。…

【水論】より

… 水論は,中世における相論の中で最も激しく,かつ解決困難なものであった。例えば,紀伊国の高野山領名手荘と粉河(こかわ)寺領丹生屋村の水論=境相論である。1241年(仁治2)に本格化した相論は,50年(建長2)にひとまず終結したかに見えたが,その後も何度もむし返され,断続的にだが室町時代にまで同様の争いが続いたわけである。…

【内済】より

…内済は裁判のどの段階においても行うことができ,審理の進行中も裁判役人はつねに内済の成立に努め,内済の可能性があるうちは何度も〈日延願(ひのべねがい)〉を許す。〈論所(ろんしよ)〉(地境論=境相論水論など)や〈金公事(かねくじ)〉(借金銀など利息付,無担保の金銭債権に関する訴訟)ではとくに強く内済が勧められ,制度的にも,用水論などでは訴状に裏書(目安裏判(めやすうらはん),目安裏書)を与える前に現地での熟談内済を命じ(場所熟談物),金公事では目安裏書に内済勧奨文言を加え,あるいは原告だけの申立てによる内済(片済口(かたすみくち))を認めるなど,特別な手続が定められていた。刑事裁判手続(吟味筋(ぎんみすじ))においても場合によって内済が許される(吟味(願)下げ)。…

【村切】より

…〈むらぎり〉は主として〈村限(むらぎり)〉であって,村ごとに耕地を集中することであるが,そのためには村内外の耕地を交換したり,切り捨てたりする必要もあり,ために〈村切〉の語があてられたのであろう。村切はおおむね順調に行われたが,耕地の入組みがはなはだしい場合には必ずしも徹底せず,前期には境相論(耕地の帰属をめぐる争い)が激発した地域も少なくない。【木村 礎】。…

【湯起請】より

…これらはいわば〈当座の失〉であるが,さらにそのときには決着がつかず,湯起請のあと2,3日間神社等に参籠させた後,手の火傷の状態を検知して,〈失〉の有無を判定する場合もあった。境相論について,1439年(永享11)の室町幕府の意見状では,〈湯起請の失の浅深は,牓示姧曲の多少による〉とあり,境界についての主張の当否が〈失〉にあらわれると認識されていた。したがって,もし双方に〈失〉のない場合には,相論地は中分とすることになっていた。…

※「境相論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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