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水論 みずろん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

水論
みずろん

「すいろん」ともいう。灌漑用水の利用をめぐる論争。江戸時代以前にもあったが,村切 (むらぎり) による近世村落の形成期頻発。村落間,村落内には一定の水利慣行があり,干害時にはよくこの慣行が破られ,暴力行為に及ぶこともあり,訴訟による解決を求めることが多かったが,領主示談による解決を奨励した。

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百科事典マイペディアの解説

水論【すいろん】

江戸時代,水田の灌漑(かんがい)用水の利用をめぐる村落間の紛争。村落間の配水方法は水利慣行として確立していたが,干ばつなどによる水不足の際には慣行が破れ水が起こった。
→関連項目備前渠

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世界大百科事典 第2版の解説

すいろん【水論】

〈みずろん〉とも読む。水田稲作のための用水をめぐる紛争。用水争論ともいう。
古代中世
 稲作に基礎をおく社会であるかぎり,灌漑用水の確保が死活問題であることは言うまでもないが,古代の律令体制のもとでは,まだ用水をめぐる対立・紛争は問題にならない。それに対して,私的土地所有が発展し,荘園制的土地領有の成立した中世になると,用水争論も加速度的に増加していった。中世成立期以降,山野河海における多様で活発な開発の展開の一環として,大小さまざまな規模の水田開発ないし再開発が推進されたが,その結果,用水の権利関係が入り組み,対立・紛争が発生しやすくなったのである。

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大辞林 第三版の解説

すいろん【水論】

田に引く水の分配についての争い。水争い。みずろん。 [季] 夏。

みずろん【水論】

水争い。すいろん。 「深田ふけだも干潟となつて、村々-のありし時/浮世草子・諸国はなし 2

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世界大百科事典内の水論の言及

【内済】より

…内済は裁判のどの段階においても行うことができ,審理の進行中も裁判役人はつねに内済の成立に努め,内済の可能性があるうちは何度も〈日延願(ひのべねがい)〉を許す。〈論所(ろんしよ)〉(地境論=境相論水論など)や〈金公事(かねくじ)〉(借金銀など利息付,無担保の金銭債権に関する訴訟)ではとくに強く内済が勧められ,制度的にも,用水論などでは訴状に裏書(目安裏判(めやすうらはん),目安裏書)を与える前に現地での熟談内済を命じ(場所熟談物),金公事では目安裏書に内済勧奨文言を加え,あるいは原告だけの申立てによる内済(片済口(かたすみくち))を認めるなど,特別な手続が定められていた。刑事裁判手続(吟味筋(ぎんみすじ))においても場合によって内済が許される(吟味(願)下げ)。…

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