孔穎達(読み)くようだつ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

孔穎達(くようだつ)
くようだつ
(574―648)

「こうえいたつ」とも。中国、唐(とう)初の学者。冀州(きしゅう)衡水(こうすい)(河北省)の人。字(あざな)は仲達(ちゅうたつ)。少時より崔霊恩(さいれいおん)の「三礼(さんらい)義宗」に学び、北朝系の春秋学・礼学を修め、算学・暦法にも通じ、大儒劉(りゅうしゃく)(544―610)に質疑して畏敬(いけい)された。隋(ずい)初より学官となり、煬帝(ようだい)が全国の学士を集めた際、先輩をしのぎ、刺客を放たれたりした。唐の626年(武徳9)国子博士、638年(貞観12)国子祭酒(学長)に累進。その間、太宗(李世民)への忠言、皇太子への諫言(かんげん)をしばしば行い、魏徴(ぎちょう)らと正史『隋書』を編集、顔師古(がんしこ)らと「大唐儀礼(ぎれい)」を制定。また顔師古の「五経定本」をもとに司馬章(しばしょう)・王恭(おうきょう)らと経書(けいしょ)の統一解釈を行い、642年その『五経正義(ごきょうせいぎ)』(180巻)を完成し、六朝(りくちょう)以来の経学集成を遂げ、科挙(官吏登用試験)に標準を与えた。[戸川芳郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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