精選版 日本国語大辞典 「安仁神社」の意味・読み・例文・類語 あに‐じんじゃ【安仁神社】 岡山市西大寺一宮にある神社。旧国幣中社。神武天皇の兄、彦五瀬命(ひこいつせのみこと)ほか二柱をまつる。備前国二の宮。久方宮。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本歴史地名大系 「安仁神社」の解説 安仁神社あにじんじや 岡山県:岡山市旧西大寺市地区藤井村安仁神社[現在地名]岡山市西大寺一宮西大寺一宮(さいだいじいちのみや)字尾の上に鎮座する神社で、古来備前二宮とされてきた。久方(ひさかた)宮ともよばれたという(明治五年当社作成「安仁神社御伝記」社蔵)。旧国幣中社。現在の社地は宝永二年(一七〇五)当社を崇敬した岡山藩主池田綱政が祈願成就後社殿を改築したとき造成したもので、古くは宮城(みやしろ)山山頂に鎮座したと伝える。祭神は現在五瀬命、相殿稲氷命・御毛沼命であるが、当初の祭神については諸説がある。「寸簸之塵」「東備郡村志」では祭神未詳としながら参議従三位秋篠安仁卿の名をあげ、「吉備温故秘録」は、これらの説を紹介、祭神を未分明としたうえで、大納言正三位右近衛大将安倍安人霊・地主の神・阿田賀田須命などをあげる。江戸後期の国学者平賀元義は秋篠安仁・安倍安人説を「大なる妄説」と否定(吉備之国地理之聞書)、明治三年(一八七〇)の神社明細帳(池田家文庫)では祭神は未詳とされている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
改訂新版 世界大百科事典 「安仁神社」の意味・わかりやすい解説 安仁神社 (あにじんじゃ) 岡山市に鎮座。備前国の二宮,もと国幣中社。祭神は神武天皇の兄の彦五瀬(ひこいつせ)命とされるが,異説も多い。吉備氏にゆかりの神社と考えられ,《延喜式》では備前で唯一の名神大社とされる。中世には若干の社領もあり,〈正二位安仁大明神〉と通称された。近世,岡山藩主池田家の保護厚く,社領高は55石,池田家の祈願所となった。社殿は,1670年(寛文10)池田綱政によって再建されて以来いく度か改築されたが,いまの社殿は1885年改築のもの。社宝のうちでは,91年に境内で発見された袈裟襷文(けさだすきもん)銅鐸が注目される。執筆者:藤井 学 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ) 「安仁神社」の意味・わかりやすい解説 安仁神社あにじんじゃ 岡山市東区西大寺一宮に鎮座。祭神は安仁神(あにのかみ)。「安仁」は兄の意で、吉備下道国造(きびしもつみちくにのみやつこ)の祖を兄彦命(あにひこのみこと)(稲速別命(いなはやわけのみこと))といい、その名にちなむ神名であろう。祭神を神武(じんむ)天皇の兄五瀬命(いつせのみこと)とする説もある。応神(おうじん)朝にさかのぼる古社で、『延喜式(えんぎしき)』神名帳備前(びぜん)国26座中で唯一の名神大社。のち備前国の二宮となり、近世には藩主池田氏の祈願所。旧国幣中社。例祭は10月11日。[菟田俊彦] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「安仁神社」の意味・わかりやすい解説 安仁神社【あにじんじゃ】 岡山県岡山市西大寺一宮に鎮座。旧国幣中社。安仁神を主祭神とし,相殿に稲氷命(いなひのみこと),御毛入沼命(みけいりぬのみこと)をまつる。安仁神は五瀬命(いつせのみこと)であるという。例祭は10月11日で,引き続き当屋祭が行われる。延喜式内の名神大社とされ,のち備前国の二宮と称される。中世の古文書を多く社蔵する。→関連項目西大寺 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報