宿る(読み)ヤドル

デジタル大辞泉 「宿る」の意味・読み・例文・類語

や‐ど・る【宿る】

[動ラ五(四)]《「屋取る」の意》
旅先で宿をとる。また、一時的にそこに住む。「僧坊に―・る」
その場所にとどまる。「葉に夜露が―・る」「健全な精神は健全な肉体に―・る」
妊娠する。「子が―・る」
虫・植物などが寄生する。「回虫が―・る」
星がその座を占める。「太陽牡羊座に―・る」
[類語](1外泊泊まる寝泊まり宿泊野宿素泊まり旅宿投宿止宿旅寝仮寝合宿泊まり泊まり込む泊まり込み旅枕草枕分宿来泊泊まり掛け同宿露営宿営野営宿を取る

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精選版 日本国語大辞典 「宿る」の意味・読み・例文・類語

や‐ど・る【宿】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「屋を取る」の意 )
  2. 旅で宿をとる。旅先で夜、他の家などにとどまる。宿泊する。また、一時的に他の場所に身を置く。
    1. [初出の実例]「昔、一の人有て菟餓に往きて野の中に宿(ヤトレ)り」(出典:日本書紀(720)仁徳三八年七月(前田本訓))
  3. 住居とする。仮のすみかとする。
    1. [初出の実例]「もみち葉の散りなむ山に夜杼里(ヤドリ)ぬる君を待つらむ人し悲しも」(出典:万葉集(8C後)一五・三六九三)
  4. 中にはいり込んだり付着したりしてとどまる。
    1. [初出の実例]「仏、〈略〉宿(ヤト)りたまは不(ず)といふこと无(な)き所に宿(ヤドリ)たまひたり」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))
  5. 光や影が、一時うつる。
    1. [初出の実例]「あひにあひて物思ふころの我袖にやどる月さへぬるるかほなる〈伊勢〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋五・七五六)
  6. 植物が他の植物に寄生する。
    1. [初出の実例]「いと気色ある深山木にやどりたる蔦の色ぞ、まだ残りたる」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
  7. 胎児としてこもる。はらまれる。
    1. [初出の実例]「はじめて胎内にやどりて、十月身を苦しめ」(出典:撰集抄(1250頃)四)
  8. 星がその座を占める。
    1. [初出の実例]「鳥と魚との水底に沈みし時にこそ、この姥は汝が星の躔(ヤド)るところを見つれ」(出典:即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉血書)

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