尩弱(読み)オウジャク

デジタル大辞泉 「尩弱」の意味・読み・例文・類語

おう‐じゃく〔ワウ‐〕【×尩弱/×尫弱】

[名・形動タリ]
1 体力・気力などが弱々しいこと。また、そのさま。柔弱。
「―たる弓を敵のとりもて」〈平家・一一〉
2 貧しいこと。また、そのさま。
「―の官人、たまたま出仕の微牛をとらるべきやうなし」〈徒然・二〇六〉
[名・形動ナリ]つまらないこと。取るに足りないこと。また、そのさま。
「―ナ事ナレドモ」〈日葡〉
[類語]弱い・ひよわ・虚弱・羸弱るいじゃく・病弱・脆弱ぜいじゃく・繊弱・劣弱・薄弱・柔弱・惰弱・孱弱せんじゃく・脆もろい・柔やわい・柔やわ・軟弱・華奢きゃしゃ・ひ弱い・か弱い・弱弱しい・弱体・小心・弱気・引っ込み思案・気弱・内弁慶・陰弁慶・臆病・大人しい・こわがり・内気・怯懦きょうだ・怯弱きょうじゃく・意気地なし・小胆・小心翼翼・弱腰・優柔不断・女女しい・弱音・音を上げる・気が弱い・腰が弱い・煮え切らない・肝が小さい・肝っ玉が小さい・温順・柔順・従順・温柔・温良・順良・素直・穏和・おだやか・物静か・おとなしやか・控えめ・優しい・内向的・人見知り・しんねりむっつり・シャイ・心静か・安らか・安穏・のどか・悠長・悠然・悠悠・悠揚・浩然・どっしり・気長・伸び伸び・伸びやか・のんびり・屈託無い・自然体・のんどり・しなやか・しとやか・なよやか・なよなよ・しっとり・物柔らか・静静しずしず・ソフト・おっとり・婉然えんぜん・しおらしい・閑語・たおやか・ナイーブ・心優しい・柔和・温雅・鷹揚おうよう・静心しずこころ・従容しょうよう・悠悠閑閑・おおどか・つつましい・奥ゆかしい・泰然自若・平静・冷静・しみじみ・しっぽり・しんみり・静まる・温顔・温容・春風駘蕩たいとう・穏便・粛粛・静謐せいひつ・静粛・さくい・あえか・へなへな・緩ゆるい・手緩ぬるい・線が細い・骨無し・柔懦じゅうだ・怯臆きょうおく・怯ひるむ・無気力・昼行灯あんどん・意気地がない・いい加減・杜撰ずさん・なまなか・うやむや・アバウト・ぬるま湯・腰抜け・腑ふ抜け

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精選版 日本国語大辞典 「尩弱」の意味・読み・例文・類語

おう‐じゃくワウ‥【尩弱・尫弱・弱】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動ナリ・タリ )
  2. ① 弱いこと。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. (イ) 体、体力、気力などが弱いこと。かよわいこと。ひよわいこと。弱々しいこと。
      1. [初出の実例]「幼喪其母、血泣摧残、漿不入口、幾将滅性、自茲尫弱、進趣饒病」(出典:家伝(760頃)下)
      2. 「馬允なにがしとかやいひける老者、〈略〉尩弱の体にて、物くひてゐたりけるが」(出典:古今著聞集(1254)一六)
      3. [その他の文献]〔謝霊運‐謝封康楽侯表〕
    2. (ロ) 威力、勢力、影響力などが小さいこと。
      1. [初出の実例]「只近代使庁沙汰、逐レ日尫弱、偏如二鴻毛一」(出典:吾妻鏡‐文治三年(1187)一〇月三日)
      2. 「まことに尫弱(ワウジャク)の家に生れ天下一統の功を立給ひし事」(出典:信長記(1622)一上)
    3. (ハ) (弓などが)強くないこと。
      1. [初出の実例]「尫弱たる弓をかたきのとりもて、〈略〉嘲哢(てうろう)せんずるが口惜ければ」(出典:平家物語(13C前)一一)
  3. ② 少ないこと。〔元和本下学集(1617)〕
    1. (イ) 土地からの税の貢納が少ないこと。
      1. [初出の実例]「就二弱所領一、被レ懸二抜群之課役一事、難レ堪之至也」(出典:新札往来(1367)下)
    2. (ロ) 物品、金額が少ないこと。
      1. [初出の実例]「抑笙筥一合 蒔絵摺貝 妙怤持参、〈略〉結構之物也、則令買得、其代尫弱也、不慮感得喜悦也」(出典:看聞御記‐永享七年(1435)一一月六日)
  4. ③ 貧しいこと。貧乏であること。
    1. [初出の実例]「為弱土民身」(出典:東寺百合文書‐へ・文保元年(1317)五月一七日・浄仏父子起請文)
  5. ④ 弱点、弱味があること。
    1. [初出の実例]「牛の事〈略〉在所をも不得尋候間、迷惑仕候。彼牛の事、此方よりはわうしゃく之儀なく候由申候へ共」(出典:高野山文書‐(年未詳)(室町)五月一七日・徳久書状)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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