日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩滝」の意味・わかりやすい解説
岩滝
いわたき
京都府北部、与謝郡(よさぐん)にあった旧町名(岩滝町(ちょう))。現在は与謝郡与謝野町(よさのちょう)の北東端を占める一地区。天橋立(あまのはしだて)の砂州(さす)によってくぎられた宮津湾の内海阿蘇海(あそかい)に臨み、また加悦(かや)谷から流れる野田川が宮津市との境をなしつつ流入する。旧岩滝町は1921年(大正10)町制施行。2006年(平成18)加悦、野田川(のだがわ)の2町と合併し、与謝野町となる。京都丹後鉄道宮豊線、丹後(たんご)半島一周道路(国道178号)が通ずる。古くから丹後縮緬(ちりめん)産地の一中心で、風呂敷(ふろしき)、半衿(はんえり)などの小物生産を主とする。西方の大内(おおち)峠は天橋立を望み、展望に優れる。板列八幡(いたなみはちまん)神社の木造女神坐像2体は国の重要文化財。1991年温泉が湧出(ゆうしゅつ)した。また1998年には弥生(やよい)時代の大風呂南1号墓から多くの副葬品が出土、ガラス釧(くしろ)(腕輪)をはじめ出土品412点は国の重要文化財に指定された。
[織田武雄]
『『岩滝町誌』(1994・岩滝町)』