デジタル大辞泉
「橋杭岩」の意味・読み・例文・類語
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橋杭岩
橋杭岩 和歌山県串本町の海岸に立ち並ぶ岩石群。大小約40の岩の柱が約850メートルにわたって規則的に並んでおり、橋のくいのように見えることから名付けられた。地下から上昇したマグマが冷えて長い板のように固まった後に、周りの軟らかい部分が波などで削られたため、硬いマグマの部分だけが残った。国の天然記念物に指定されている。
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はしくい‐いわはしくひいは【橋杭岩】
- 〘 名詞 〙 天然の岩が橋杭のように並んだもの。また、その岩に関して、鬼などが橋を架けようとして果たさなかったなどの巨人伝説の結びついたもの。特に和歌山県東牟婁郡串本町のものは有名で、天然記念物。
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橋杭岩
はしぐいいわ
串本町の北東隅、東牟婁郡古座町との境にある。海岸から大島に向かって南北一直線に点在する大小三〇余の奇石群。石質は石英粗面岩。最高一五メートル、延長七〇〇メートル。熊野奇勝の一つで、国指定の名勝・天然記念物。地殻変動で第三紀牟婁層の軟弱な頁岩部分に石英粗面岩が噴出して岩脈を形成し、軟らかい頁岩が海食され堅い石英粗面岩だけが残ったもの。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
橋杭岩 (はしくいいわ)
和歌山県最南端にある奇勝。西牟婁(にしむろ)郡串本町の東部海岸から南の大島寄りに約700mにわたって大小30余の岩が一列に並び,橋の杭のようにみえることからこの名がある(天・名)。地殻変動で第三紀層のケツ岩の亀裂から石英粗面岩が噴出し,岩脈の軟らかい部分が波に浸食されたもの。民謡《串本節》にも〈一つ二つと橋杭立てて 心とどけよ串本へ〉と歌われ,弘法大師の架橋伝説がある。吉野熊野国立公園に属する。
執筆者:重見 之雄
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橋杭岩
はしぐいいわ
和歌山県南端,串本町中部の海岸にある岩石群。海岸から沖合いの大島に向かって大小約 30の柱状岩塊が一列に並び,橋杭のように見えるのでこの名がある。岩塊は,新第三紀層の頁岩のなかに貫入した石英粗面岩の岩脈が,海食から断続的に残ったもの。1914年国の名勝・天然記念物に指定。弘法大師にまつわる伝説がある。吉野熊野国立公園に属する。
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橋杭岩【はしくいいわ】
和歌山県串本町の海岸にある岩礁(名勝・天然記念物)。第三紀層に貫入した石英斑岩の岩脈が波食を受け断続して残ったもので,対岸の大島に向かって大小30余の柱状岩塊が1列に並び奇観を呈する。吉野熊野国立公園に属する。
→関連項目串本[町]
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橋杭岩
はしぐいいわ
和歌山県南部、東牟婁(ひがしむろ)郡串本(くしもと)町にある岩石列。立岩(たていわ)ともいう。海岸から南の大島に向かい延長約700メートル、大小30余の巨岩が海上一列に並ぶ。第三紀頁岩(けつがん)層の亀裂(きれつ)に噴出した石英粗面岩の岩脈が海食を受けたもの。空海(弘法大師(こうぼうだいし))が架橋を中断したという伝説がある。国指定名勝・天然記念物。吉野熊野国立公園に含まれる。隣接して海水浴場がある。
[小池洋一]
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世界大百科事典(旧版)内の橋杭岩の言及
【浸食作用】より
…これを海食洞といい,貫通した形のものを海橋という。岬の先端に離れてある橋杭岩(はしくいいわ)(和歌山県串本町)のような岩礁は,もともと突出していた陸地に海食が働いて離れ岩に変化させた例である。磯にある岩塔が基部を波食でえぐられ茸岩(きのこいわ)(マッシュルーム・ストーン)となる場合もあり,砂漠地域では砂礫を巻き上げて削磨する風食によっても茸岩ができる。…
※「橋杭岩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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