平川村(読み)ひらかわむら

日本歴史地名大系 「平川村」の解説

平川村
ひらかわむら

[現在地名]備中町平川

吉備高原の一画を占め、西は備後国神石じんせき郡と接する備中国境の大村。東は布賀ふか村、北は成羽なりわ川が形成した渓谷を挟み西山にしやま村・東油野ひがしゆの村・西油野村。寛永備中国絵図によると高一千三七八石余で松山藩領。文化一〇年(一八一三)の村明細帳(平川文書)に、慶長五年(一六〇〇)に毛利検地が行われたことが記され、古検高一千三九二石余とある。正保郷帳では幕府領、枝村として清河内せいごうち越山こしやま前谷まえだに竹倉たけのくら長谷ながたに金野かんの・小麦・小林こばやし安田やすだなど一二村が記される。年貢免状・年貢皆済目録(平川文書)によると、文化九年から天保九年(一八三八)まで津山藩預所となった時期を除いて、一貫して幕府領代官支配で幕末に至った。延宝五年(一六七七)の検地帳(同文書)では高二千一四五石余・反別三七二町余。

寛保三年(一七四三)の村明細帳(平川文書)によると東西一里一二町・南北二里一二町の村域で、家数四二一、男一千一〇〇・女九二一、牛馬四一七。


平川村
ひらかわむら

[現在地名]宮之城町平川

宮之城郷虎居とらい村の北西、南東流する海老えのか川と大薄おおすき川流域の山間部にある。北西端に上宮じようぐう(紫尾山)がそびえる。北は上宮嶽を境として出水いずみ武本たけもと(現出水市)。古来出水山地を越えて出水地方と宮之城を結ぶ交通の要所で、北西方へ大薄川にほぼ沿いながら当村の悪四郎原あくしろうはらを経て登尾のぼりおから谷川沿いに山道を登り、出水郷へ向かう道が通っていた。延慶三年(一三一〇)四月三日の平行重譲状写(大井文書)に「薩摩国答院柏原内平□□」とみえるのは当地と思われる。同所は大井小四郎(大井頼郷)の遺志によりその子平行重から王一へ譲られ、もし行重に実子ができたなら王一一期ののちは無条件でその子に譲ることとされた。


平川村
ひらかわむら

[現在地名]緑区平川町

高田たかだ村の東、鹿島かしま川の上流域にあたり、上総国山辺やまべ郡境に位置する。南部を土気とけ往還が通る。千葉介常胤の家臣平河種次が築いたという平河館があったとされ、天文期(一五三二―五五)北条氏康勢に攻められ落城したという。天正一九年(一五九一)七月二二日の検地帳(平川町有文書)に千葉庄平川郷とある。「家忠日記」天正二〇年三月六日条によれば、平川之郷一八八石余が松平家忠領となっている。慶長一四年(一六〇九)旗本戸塚領六石、寛永二年(一六二五)旗本林領一一一石が確認されるほか(石井家文書)、同一〇年旗本神谷氏の知行所になったとされる。


平川村
ひらがわむら

[現在地名]利根村平川

集落は千鳥ちどり新田のたに川上流右岸と、会津街道沿いの伊香原いかはら、その東北方の平原ひらばらにあるが、村域は広大で東方下野国境の宿堂坊しゆくどうぼう山、皇海すかい山に及ぶ。天和元年(一六八一)の郷村品々記録(小林文書)の「用木山ヘ山師入候覚」に「平川 樅・檜木」とあり、また平川山は鷹巣山に指定されている。利根郡に属し、寛文郷帳によると田方一一石余・畑方三一九石余、沼田藩領。寛文三年(一六六三)の真田領村高書上控では高一千四九〇石余。


平川村
ひらかわむら

[現在地名]大津町平川

古城ふるじよう村の西にあり、阿蘇外輪山の西麓に続く合志こうし台地を、とうげ川が刻んだ浅い谷間に立地する。「国誌」によると、古城村へ行く往還に「仏坂並盗人坂」があり、ほとけ坂は平坦だが、盗人ぬすつと坂は険しい道が長く続くため言いならわされたという。

戦国末期合志氏の土地寄進を伝える寺社方家中侍中名附写(厳照寺文書)に「御神領 田弐反四畝 平川之内」とある。慶長九年(一六〇四)九月の検地帳に「平河村」と記され、田二町八反八畝余、畠・屋敷一三四町五反九畝余、分米九三七石一斗とある。寛永一〇年(一六三三)人畜改帳によると平川組に属し、戸数二八・家数二一九、人数二〇九(うち庄屋一・百姓二七・名子二〇・下人七)、牛馬九九、高九三七石余。


平川村
ひらかわむら

[現在地名]城陽市大字平川

現城陽市の最北端に位置する。北は久世郡大久保おおくぼ(現宇治市)、西は上津屋こうづや村、東と南は久世くせ村に境する。

平川の地名は、東方の大谷おおたに山から木津きづ川に注いだ川の名とも、また木津川が現在より東を流れていた頃の名ともいわれるが不詳。

大谷川の扇状地には、車塚くるまづか古墳をはじめとする久津川くつかわ古墳群が築造されており、早くから開かれた地と思われる。

車塚古墳南方二〇〇メートルの奈良街道沿いには、法隆寺式の伽藍配置をもつ奈良時代の寺院跡がある。


平川村
ひらかわむら

[現在地名]鹿児島市平川町

鹿児島市最南端に位置し、東は海に面する。北は下福元しもふくもと村。南は給黎きいれ瀬々串せせくし(現喜入町)、西は山を隔て川辺郡清水きよみず(現川辺町)。北部を五位野ごいの川、南をひら川が東流して海に注ぐ。慶長元年(一五九六)と推定される一二月二三日の島津忠長署判領知目録(旧記雑録)谷山たにやまのうち平川村とみえ、当村のうち一〇〇石など都合八〇〇石が本田六右衛門尉に宛行われている。寛文四年(一六六四)の郡村高辻帳に村名はみえず、福本ふくもと村に含まれたものとみられる。「三州御治世要覧」では延享(一七四四―四八)頃の高四三〇石余。旧高旧領取調帳では高七一〇石余。


平川村
ひらかーむら

[現在地名]大里村高平たかひら

大里うーざとう間切の西部に位置し、東は高宮城たかなーぐしく村、西は南風原ふえーばる間切神里かんざとう(現南風原町)。絵図郷村帳・琉球国高究帳に島添大里しましーうーざとう間切平川村とあり、「琉球国由来記」には大里間切平川村とみえる。同名の村が八重山島の古見くん間切にあった。前掲高究帳によると高頭一六三石余、うち田一三二石余(うち永代荒地一七石余)・畠三一石余。間切集成図では当村の南で与那原ゆなばる(現与那原町)から南下した道筋と、豊見城とうみぐすく間切の真玉橋まだんばし(現豊見城市)から東進し、東風平くちんだ間切・南風原間切を経て玉城たまぐすく間切へと続く道筋がぶつかる。


平川村
ひらかわむら

[現在地名]河内村平川

利根川左岸の旧氾濫原の平坦地にあり、東北は十三間戸じゆうさんまど村、南は金江津かなえづ村。永禄元年(一五五八)に石橋四郎左衛門が香取郡大和田おおわだ(現千葉県香取郡下総町)から移住といい(茨城県市町村総覧)、また寛永二〇年(一六四三)塚本平左衛門が近江国塚本から来て開墾ともいう(稲敷郡郷土史)元禄郷帳の村高は四二四石余。江戸時代は天領で、弘化二年(一八四五)の関東御取締役控帳(香取郡誌)によると、神崎本宿こうざきほんじゆく(現香取郡神崎町)外五二ヵ村組合に属し、村高五一三石、家数六七。


平川村
ひらかわむら

[現在地名]都賀町平川

合戦場かつせんば村の北東に位置する。南東部の湧水を源とする平川は、東の大塚おおづか(現栃木市)などの灌漑用水に利用された。同村にかけて永享七年(一四三五)皆川氏秀が築城したという平川城跡があり、大永三年(一五二三)宇都宮忠綱により落城したと伝える。貞和三年(一三四七)銘をはじめとするいずれも北朝年号の板碑群や、室町期の凝灰岩製の八角宝塔が残る。

慶安郷帳に村名がみえ、田一〇石余・畑二〇九石余で下総古河藩領。貞享二年(一六八五)より高家畠山氏の知行になったとみられ、元禄郷帳では畠山氏と旗本間宮の相給となっている。寛政元年(一七八九)の旗本佐野氏領郷村高帳(茨城県新井清文書)に村名があり、高九一石余。


平川村
ひらこうむら

[現在地名]相良村四浦ようら 平川

川辺かわべ川中流右岸の緩斜面上の狭小な平地に位置し、大部分は山林で、北は初神はつがみ村、東の川辺川対岸は晴山はるやま村、南は河辺かわべ村、西は山田やまだ(現山江村)と接する。慶長国絵図に二八石七斗余とあり、寛永一一年(一六三四)には本田高四四石七斗余に増加するが、「新田無」とある(郷村高辻帳)


平川村
ひらかわむら

[現在地名]産山村山鹿やまが 平川

東は乙宮おとみや村・産山村、南は山鹿村と手野ての(現一の宮町)、西から北にかけて田尻たじり村と接する。村内を山鹿川(玉来川)が東流する。文明一六年(一四八四)八月二八日の阿蘇十二社同霜宮最花米注文(阿蘇家文書)に「一所ひらかわ百文 まめ五升」とある。また当村の近世の小村であるたけ家所やところがみえ、同様に収納使の宿泊地となっている。


平川村
ひらかわむら

[現在地名]平内町福館ふくだて 平川

東は浅所あさどころ村、南は小湊こみなと村、西は福館村、北は山で遠く白砂しらすな村に接する。正保二年(一六四五)の津軽知行高之帳の田舎いなか郡の新田に高四三・三九石とある。元禄二年(一六八九)の黒石平内巳年郷帳(市立弘前図書館蔵)には福館村と合せて村高一四一・三七五石、うち田方一三〇・二七二石、畑方六・七八六石、屋敷方四・三一七石とある。


平川村
ひらかわむら

[現在地名]野迫川村大字平川

中原なかはら川流域、今井いまい村の西に立地。俗に「ひらっこう」と呼称する。十二村じゆうにそん野川のかわ組に属する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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