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南北朝時代の朝廷の年中行事書。3巻があり、後醍醐(ごだいご)天皇の作。『仮名(かな)年中行事』『年中公事記(くじき)』などの別名もある。正月の「四方拝」「御薬(みやく)を供(くう)す」から、12月の「追儺(ついな)」に至る諸行事について仮名で書かれている。内容は式次第のみで、行事の起源来歴には触れていない。おそらく本書は、建武新政期における朝儀の執行の手引という実践的目的のために作成されたものであろう。
[酒井信彦]
有職(ゆうそく)故実書。3巻。後醍醐天皇著。1334年(建武元)成立。宮中の年中行事を月ごとにまとめ,仮名を用いて記述する。建武新政の初期に書かれたことから,その内容とともに,形骸化していた天皇の政治力の再興とその絶対化を目的としたと思われる。一条兼良(かねよし)の「公事根源(くじこんげん)」の下敷きともなった。「群書類従」所収。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…1422年(応永29),または翌年の成立。朝廷の公事の基本を示す儀式書であり,後醍醐天皇の《建武年中行事》を基本にし,また二条良基の《年中行事歌合》の判詞を抄出し,改題して将軍に献上したものといわれている。行事の内容を月の順序で記し,それぞれの行事の起源,沿革,特質等についてのべており,後世,盛んに利用され,注釈書も多く作られた。…
※「建武年中行事」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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